アメリカ最大の都市ニューヨーク。
政治・経済・金融・エンタメ、様々な分野で世界を牽引しており、夢や刺激を求めて世界中から人々が集まるため、ニューヨーク留学を検討している人も多いことでしょう。
しかし、誰しも留学前に気になることが、ニューヨークの治安についてです。
留学生にとってニューヨークは「安全な国」なのか、今後ニューヨークへの英語留学を検討している方に向けて、現地の治安情報をまとめています。
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このページの目次
ニューヨークの治安について
ニューヨークは、アメリカ北東部にあるニューヨーク州の南東端に位置し、マンハッタン、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、スタテンアイランド島の5つの行政区で構成されています。
FBI(米連邦捜査局)の犯罪データをもとに、US News&World Reportによって作成された治安の良い州ランキングによると、ニューヨーク州は50ある州のうち13位となっています。
また、2001年9月11に起きた同時多発テロ事件後、ニューヨーク市内の警備が強化されていることからも、アメリカ国内では留学生にとって比較的安全で治安の良い都市と考えられます。
しかし、在ニューヨーク日本国総領事館が掲載している、主要7罪種の犯罪認知件数によると、2021年ニューヨークでは年間約10.2万件(犯罪率1.22%)の犯罪が発生。
一方、東京都では年間7.5万件(犯罪率 0.53%)の犯罪件数が報告されています。
アメリカ全体の年間約812万件・犯罪率2.47%と比較をすると、犯罪率が低いように見えますが、東京都と比べるとニューヨークでは約2.3倍もの犯罪が発生しています。
地域やエリアによって事件や犯罪の傾向は異なりますが、観光地ではスリ・置き引きなどの軽犯罪が多く、都心部では強盗・違法ドラッグなどの犯罪が多くなっています。
ニューヨークではどのような事件や犯罪が多いのか、事前に認識しておくことで、現地での対策を考えることができますよ。
※ 参考元:US News&World Report Public Safety Rankings
※ 参考元:在ニューヨーク日本国総領事館 ニューヨーク市の治安について
ニューヨークで治安の良いエリア
『NeighborhoodScout』の情報によると、ニューヨークで治安が良いとされているのは、下記の地域です。
- アッパー・イースト・サイド地区
- モーニングサイド・ハイツ地区
- レノックス・ヒル地区
FBI(米連邦捜査局)の犯罪データ内の犯罪率が低い地域が、比較的安全だと考えられます。
しかし、人目が付きにくい裏路地などに入ると、雰囲気がガラリと変わるため、なるべく近づかないようにしましょう。
安全だと考えられている地域にも、「危険な場所が存在する」ということを忘れずに生活することが大切です。
※ 参考元:NeighborhoodScout Safest New York neighborhoods
どのエリアの治安が悪いのか
ニューヨークで治安の悪い地域の一例として、下記の地域があげられます。
- ブルックリン区:ブラウンズビル地区・ベッドフォード=スタイベサント地区
- ブロンクス区:ハンツポイント地区・モットヘブン地区
- マンハッタン区:イーストハーレム地区
在ニューヨーク日本国総領事の資料によると殺人などの凶悪犯罪の多くは、ブルックリン区やブロンクス区等で発生しており、マンハッタンの中心街でも、置き引きやスリ等が多発しています。
留学時には、上記で挙げた危険な地域を事前に把握し、現地到着後にも学校の先生やホストファミリーに、他に危険なエリアがあるか確認をしておくといいでしょう。
ニューヨークの犯罪率
実際にFBIが公表をしている主要犯罪と、警察庁が公表している全刑法犯の認知件数をもとに、2021年のデータを比較しました。
- ニューヨーク:102,731件(人口:840万人・犯罪率1.22%)
- 東京都:75,288件(人口:1,400万人・犯罪率0.53%)
このように数字で表すと、ニューヨークでの犯罪件数が多いことがよくわかります。
ニューヨークは同時多発テロ以降、警備が強化されているためアメリカ国内では、比較的安全な都市だと考えられていますが、殺人や銃器を使用した凶悪事件も日常的に発生しています。
日本で暮らしていた感覚でニューヨークへ行くと、事件やトラブルに巻き込まれてしまう可能性が高まります。
そのため普段から「身近にも危険がある」ということを忘れずに、生活を送るようにしましょう。
トラブル事例
ここからは、留学生や観光客がよく巻き込まれてしまうトラブル事例について、ご紹介します。
スリ・置引き
日本人が最も巻き込まれやすい犯罪の一つです。
人の多い場所に行った際、上着やズボンの後ろポケットに入れていた貴重品を盗まれてしまったり、席を確保するために置いたカバンが、少し目を離した隙になくなってしまったという話をよく耳にします。
貴重品は必ずチャック付きのカバンや内ポケットに入れるように習慣付け、普段から肌身離さず持ち歩くようにしましょう。
強盗・強姦
人通りのない路上やビルの陰、地下鉄等において武装強盗に襲われる事件が多発しています。
普段から貴重品は最小限に控え、少しでも周りで異変を感じたらすぐに行動ができるよう、周りの様子に気を付けて生活をするようにしましょう。
アジア人に対するヘイトクライム
新型コロナウイルスの感染拡大後、アジア人に対するヘイトクライムが問題となっています。
ニューヨーク市警犯罪統計によると、2020年11月28日までにアジア系住民に関する128件(前年同期比357%増)のヘイトクライムが発生しました。
犯罪発生率の高い地区を訪れたり、深夜の一人歩きなどはできる限り避け、不審な場所や人物を感じた際には速やかにその場から離れる等、自身の安全を守る行動をしましょう。
トラブル時の対処法
犯罪やトラブルに遭わないよう、普段から気を付けて生活をしていても、いつ・どこで巻き込まれてしまうかは誰も予想することができません。
留学中にトラブルに巻き込まれてしまうと、すぐに相談できる人が身近におらず、慣れない英語での対応が必要となるため、不安に思われるかもしれません。
事前にどのようなトラブルが起こりえるのか想定をしておくことで、実際に発生した際に落ち着いて対応することができますよ。
それでは具体的に、どのようなトラブルが発生する可能性があるのか、一緒に考えていきましょう。
<トラブル一例>
- 風邪を引いてしまった、体調を崩してしまった
- 交通事故に遭ってしまった
- 財布、携帯などの貴重品を落としてしまった
- 犯罪トラブルに巻き込まれてしまった
- 対人関係のトラブル
留学中のトラブルとして多いのは、このような例があげられます。
それではこれから、具体的な対処方法についてご紹介します。
緊急時の連絡先(警察・消防・救急車)
アメリカで警察・消防・救急車を呼ぶ際は、すべて「911」です。
「英語でうまく説明できるだろうか」と不安に思う方もいるかもしれませんが、「ジャパニーズ・プリーズ」と伝えると、日本語通訳サービスを介して通話をすることもできます。
また、在ニューヨーク日本国総領事館 の連絡先もあわせて、事前に登録をしておくと良いでしょう。
- 在ニューヨーク日本国総領事館 の電話番号:212-371-8222
友人・ルームメイト・ホストファミリー
トラブル等に巻き込まれてしまうと、焦ってしまうことも多いかと思いますが、まずは気持ちを落ち着かせることがとても大切です。
自分の身に起きたことを、周りの友人やホストファミリーなどに相談をし、次にどのような行動をするべきか落ち着いて考えるようにしましょう。
留学エージェント
営業時間内で連絡が取れるようなら、留学エージェントに連絡をしてみましょう。
ただし早朝や夜間など、繋がらない時間帯もあるので注意が必要です。
学校の先生やサポートスタッフ
学校の先生やサポートスタッフに連絡をしてみるのもいいでしょう。
夜間のコースを開講している学校もあるため、遅い時間帯まで連絡が取れる可能性があります。
たびレジを登録
「たびレジ」とは、外務省から留学先の最新の安全情報や、コロナ等での渡航状況等を日本語で配信をしてくれるサービスです。
また、現地で事件や事故に巻き込まれた際も、素早く支援をしてくれるので、渡航時は必ず登録しておくことをおすすめします。
風邪を引いてしまったり、事故に遭ってしまったり、このようなトラブルはいつ発生するか誰も予期することができません。
既にご存じかもしれませんが、アメリカの医療制度はとても高額です。
日本では無料の救急車でも、ニューヨークで救急搬送されると、約20万円ほど搬送料金が掛かります。
そのため、ニューヨークへ留学する際には、必ず海外保険に加入するようにしましょう。
事前に安全対策しておけば、ニューヨーク留学は怖くない
アメリカの他の都市に比べると、比較的治安が良いと言われているニューヨークですが、今までに多くの日本人留学生や観光客が犯罪・トラブル等に巻き込まれています。
特に何も知識がない状態で、犯罪率が高いエリアに行くことは、とても危険な行為です。
しかし、記事でご紹介したように、前もってニューヨークでの犯罪やトラブルを想定して対策を考えておくことで、実際の犯罪リスクを減らすことができるはずです。
留学は人生の一大イベントでもあり、今後のターニングポイントとにもなり得ます。
充実した留学生活にするためにも、ニューヨークでの安全対策は怠らないようにしてくださいね!