カナダ留学で使える奨学金について|給付型と貸与型の違いと応募可能な団体一覧

監修者

監修者末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002|カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。現在までサポートしてきた留学生数は1万人以上。カナダ留学情報を発信するX(Twitter)アカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万以上。

いざ留学したい、と思っても、留学資金が十分でないこともあると思います。
ただ、日本人の場合、条件によっては奨学金の支給を受け、それを使って海外へ留学できることもあります。

奨学金を給付する団体は様々で、給付型以外に貸与型のものもあります。

そこでこの記事では、給付型と貸与型の奨学金違いについての解説と、奨学金に応募可能な団体についてまとめました

奨学金には給付型と貸与型がある

奨学金には大きく分けて給付型と貸与型の二つがあります。

どちらのタイプの奨学金も、学生が学業を続けるための大きな助けとなりますが、自分の将来の計画や経済的な状況に応じて選ぶ必要があります。カナダ留学を考えている場合、これらの奨学金がどのように利用できるかを理解し、適切な奨学金を選択することが重要です。

給付型奨学金とは

給付型奨学金とは、返済の必要がない支援金を指します。このタイプの奨学金は、主に学業成績や経済的な必要性に基づいて提供されます。受給者は、奨学金を得ることによって、学費や生活費などの留学にかかる費用をカバーすることができます。給付型奨学金は、特に経済的な支援が必要な学生にとって、大きな助けとなります。

また、奨学金の申請条件や選考過程は団体によって異なるため、応募前には各団体の要件を確認することが重要です。この制度を利用することで、学生は経済的負担を軽減しつつ、留学という貴重な経験を全うすることが可能になります。

貸与型奨学金とは

貸与型奨学金とは、基本的に返済が必要な奨学金です。留学生が学費や生活費を賄うために利用でき、一定期間後に金利を含めて返済する必要があります。

このタイプの奨学金は、給付型奨学金と比較して、より多くの金額を借りることが可能な場合が多いですが、将来的に返済負担がある点を考慮する必要があります。特に留学後のキャリアプランや収入見込みをしっかりと計画しておくことが重要です。

貸与型奨学金を提供する団体は、民間金融機関や特定の教育関連の財団などがあります。

奨学金を提供する団体の種類

奨学金を提供する団体には、民間団体と公的団体の二つの大きなカテゴリーが存在します。

民間団体からの奨学金

民間団体からの奨学金は、留学生に対して貴重な資金援助を提供する重要なリソースです。これらの奨学金は、特定の学問分野や研究テーマに焦点を当てたものから、特定の国への留学を支援するものまで多岐にわたります。民間団体が提供する奨学金には、企業、非営利団体、財団などが含まれ、それぞれが留学生の学びやキャリアの発展を支援するための独自の条件や目的を持っています。

例えば、一部の企業は自社の業界に関連する専門分野で学ぶ学生を対象に奨学金を提供しており、将来的にはその業界で活躍する人材を育成しようとしています。また、非営利団体や財団は、社会的な影響を与えるプロジェクトや研究に取り組む学生を支援することを目的としていることが多く、これにより学生は自らの研究やプロジェクトを通じて社会貢献を目指すことができます。

これらの奨学金を利用するには、各団体が設ける応募資格を満たす必要があります。応募資格には、学業成績、研究計画、推薦状、エッセイの提出などが含まれることが一般的です。また、奨学金の申請プロセスは競争が激しく、多くの場合、選考には厳しい基準が設けられています。

留学を考えている学生にとって、これらの奨学金は学費や生活費の負担を軽減し、留学という貴重な経験を実現させるための大きな助けとなります。そのため、計画的に情報を集め、適切な準備を行うことが成功の鍵となります。

公的団体からの奨学金

公的団体からの奨学金は、国や地方自治体が提供する支援で、留学生に対して経済的な援助を行います。これらの奨学金は、通常、返済の必要がない給付型が多いですが、中には条件付きでの返済を求める場合もあります。

例えば、日本学生支援機構(JASSO)は、海外留学を希望する学生に対して、奨学金を提供しています。これには、留学先の国や地域、学生の学業成績や家庭の経済状況など、様々な条件が設けられています。

また、地方自治体によっても留学支援の奨学金が設けられており、地元の学生が国際的な舞台で活躍できるよう支援することを目的としています。これらの奨学金は、地域に根差した教育の充実を図るとともに、地域の国際化を促進する役割も担っています。

公的団体からの奨学金を利用する際は、申請条件や締切日、必要書類をしっかりと確認し、計画的に準備を進めることが重要です。これらの奨学金は競争が激しいため、早めの情報収集と準備が成功の鍵となります。

留学生に対して奨学金を提供している団体について

留学生に対して奨学金を提供している団体は多岐にわたります。

トビタテ!留学JAPANの奨学金

「トビタテ!留学JAPAN」は、日本政府が主導する留学支援プログラムであり、国内外の大学生や高校生がグローバルな視野を持って挑戦できるように設計されています。この奨学金は給付型であり、返済の必要がないため、経済的な負担を感じることなく留学を実現できます。

特に、創造的かつ挑戦的なプロジェクトを計画している学生には最適な支援策です。応募者はその計画の独創性や社会への貢献度が高く評価されます。また、留学先での成果が期待されることも、選考の重要なポイントとなっています。

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金

日本学生支援機構(JASSO)は、日本国内外の学生に対して多岐にわたる支援を提供しています。特に留学生にとっては、JASSOの提供する奨学金が非常に重要です。これには、給付型と貸与型の両方があり、学生のニーズに応じて選択することができます。

給付型奨学金は返済の必要がなく、経済的な負担が少ない一方で、貸与型奨学金は後に返済が必要ですが、より多くの学生が利用可能です。JASSOの奨学金を利用することで、学生はカナダでの留学機会を広げ、学問的な探求やキャリア開発を深めることができるでしょう。

高円宮記念クィーンズ大学留学奨学金

高円宮記念クィーンズ大学留学奨学金は、日本とカナダの学術交流を促進する目的で設立された奨学金です。この奨学金は、カナダのクィーンズ大学で学ぶ機会を日本の学生に提供し、国際的な視野と専門知識を身につけることを目指しています。

奨学金の受給資格には特定の学業成績や言語能力が求められることがありますが、それに見合うだけの充実したサポートが用意されています。具体的には、授業料の免除や生活費の支給、さらには渡航費の補助も含まれることが多いです。この奨学金を通じて、学生は異文化理解の深化はもちろん、国際的な問題解決能力を養うことが期待されています。

ヴァニエ・カナダ大学院奨学金

ヴァニエ・カナダ大学院奨学金は、カナダ政府が提供する最も権威のある奨学金の一つです。この奨学金は、博士課程の学生を対象にしており、特に研究能力とリーダーシップが優れている学生に与えられます。年間約167名の学生がこの奨学金を受けることができ、奨学金の額は年間50,000カナダドルで、最大3年間支給されます。

応募資格は、カナダ国内外の大学からの推薦が必要であり、学術成績が非常に優れていること、そして研究提案が革新的であることが求められます。この奨学金を利用することで、学生はカナダの研究環境の中で自らの研究を深め、国際的な研究者としてのキャリアを築くことが期待されています。

ロータリー青少年交換プログラムの奨学金

ロータリー青少年交換プログラムの奨学金は、国際的な理解と友好を深めることを目的としたプログラムです。この奨学金は、ロータリークラブが提供しており、世界中の若者が異文化交流を経験する機会を得ることができます。特にカナダ留学を希望する学生にとって、この奨学金は非常に価値があるものとされています。

プログラムの参加者は、カナダのロータリークラブと提携している学校での学びはもちろん、現地の家庭にホームステイしながらカナダの文化や生活を体験することができます。この経験を通じて、留学生は言語能力の向上はもちろん、国際的な視野を広げることが期待されます。

奨学金の申請資格や詳細は、地元のロータリークラブによって異なる場合がありますので、具体的な情報は最寄りのロータリークラブに直接問い合わせることが推奨されます。このプログラムは、若い世代に国際理解の重要性を教え、将来的にグローバルな活動を行うリーダーを育成するためのものです。

公益財団法人 中島記念国際交流財団の奨学金

公益財団法人 中島記念国際交流財団は、国際理解の促進を目的として設立された団体です。この財団は、特に学術や文化の分野で活躍する若者を支援するために奨学金を提供しています。留学を希望する学生にとって、中島記念国際交流財団の奨学金は、学問の追求と国際経験を深める大きな助けとなります。

奨学金の申請資格や詳細は、財団の公式ウェブサイトで確認することができ、選考過程では学業成績だけでなく、将来のビジョンや国際貢献に対する熱意も重要視されます。

公益財団法人 伊藤国際教育交流財団の奨学金

公益財団法人伊藤国際教育交流財団は、国際理解の促進を目的として、留学生に対して奨学金を提供しています。この奨学金は、特にカナダへの留学を希望する学生にとって、貴重な資金援助の一つです。奨学金の支給対象は、大学院レベルで学ぶ予定の学生が中心で、学業成績が優れ、かつ国際的な視野を持ち合わせていることが求められます。

応募者は、提出された計画書や過去の学業成績、推薦状などを基に選考され、選ばれた学生には学費の一部または全額が支給されることがあります。この奨学金を利用することで、学生は経済的な負担を軽減しつつ、カナダでの高等教育を受ける機会を得ることができます。

公益財団法人 経団連国際教育交流財団の奨学金

公益財団法人 経団連国際教育交流財団は、日本の学生が国際的な視野を広げる機会を提供することを目的としています。特にカナダ留学を希望する学生に対して、奨学金を提供しており、これにより学生は海外での学びを経験することができます。この奨学金は、学業成績が優秀で、かつ国際的な舞台で活躍する可能性を持つ学生を対象としています。

応募条件や詳細は公式ウェブサイトで確認でき、選考過程では書類審査の他、面接が行われることもあります。奨学金の額や支給条件は年度によって異なるため、計画的に情報を集め、応募することが重要です。

日本財団・笹川保健財団 看護職海外留学奨学金制度の奨学金

日本財団・笹川保健財団が提供する看護職海外留学奨学金制度は、看護職を目指す学生や現役の看護師が海外での研修や学習を経験するための支援を行っています。この奨学金は、国際的な視野を持ち、グローバルな医療現場で活躍できる看護専門職の育成を目的としています。

奨学金の支給対象となるのは、海外の大学や研究機関での研修、または実務経験を積むことを計画している者です。支給される奨学金は給付型で、返済の必要はありません。これにより、経済的な負担を心配することなく、国際的なキャリアを追求することが可能となります。

バンティング博士研究員奨励金

バンティング博士研究員奨励金は、カナダ政府が提供する非常に競争率の高い奨学金の一つです。この奨学金は、博士後期課程の研究者や博士号取得者を対象にしており、特に健康科学、自然科学、工学の分野で優れた研究を行っている人材を支援することを目的としています。

受賞者には、研究資金として年間最大7万カナダドルが提供され、最長で2年間の研究支援を受けることができます。この奨学金を通じて、カナダは世界中から優秀な研究者を引き寄せ、国際的な研究コミュニティの発展に寄与しています。

日本の各地放置自体の留学生向け奨学金

日本の各地方自治体では、地元の学生が海外で学ぶ機会を広げるために、留学生向けの奨学金を提供しています。これらの奨学金は、地域に根差した教育支援の一環として位置づけられており、留学を希望する学生にとって大きな助けとなります。

例えば、ある自治体では、留学先での学費の一部を補助する制度があり、また別の自治体では、生活費のサポートを行う奨学金が設けられています。これにより、経済的な理由で留学を諦めかけていた学生も、夢に一歩近づくことが可能になります。

各自治体によって支援内容や条件が異なるため、応募前にはしっかりと情報を集め、自分に合った奨学金を見つけることが重要です。

カナダ留学で使える奨学金について まとめ

カナダ留学を目指す学生にとって、奨学金は大きな支援となります。給付型奨学金は返済の必要がなく、貸与型奨学金は条件付きで返済が求められることが一般的です。

留学生を支援する団体は多岐にわたり、公的機関から民間団体まで様々です。例えば、「トビタテ!留学JAPAN」や「日本学生支援機構(JASSO)」は、特に日本人学生に対して多くの支援を提供しています。

また、カナダの大学で学ぶための専門的な奨学金も存在し、その中には「ヴァニエ・カナダ大学院奨学金」や「バンティング博士研究員奨励金」などが含まれます。これらの奨学金を利用することで、留学の夢を実現させる手助けとなるでしょう。