オーストラリアの西海岸に位置した、オーストラリアの第四の都市「パース」は世界で一番美しい都市とも呼ばれ、留学先として隠れた人気を誇っています。
また、パースは様々な国から留学生が集うことに加え、日本人比率も他のオーストラリアの都市に比べると低いため、語学留学には最適な都市です。
その他にも、パースには日本と同じように四季が存在し、季節ごとに変化する街並みを楽しめるのもおすすめです。
そんな魅力的なパースですが、いざ留学するとなると気になるのが現地の治安問題ですよね?
記事ではそんなパースの治安事情、巻き込まれやすいトラブル、対処法と予防策などを分かりやすくまとめました。
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このページの目次
パースの治安について
パースはシドニーやメルボルン、ブリスベンについで「オーストラリアの第四の都市」と呼ばれていますが、自然と都会のバランスが取れた落ち着いた都市なので、比較的治安も良いです。
The Economist Intelligence Unitが作成した2021年度の世界住みやすさランキング「The Global Liveability Index 2021」によると、パースは世界140都市中の第6位にランクインしています。
このランキングは安定性、医療、文化、環境、教育、インフラの5つのカテゴリーにおいて、30以上の定性・定量的要素から「住みやすさ」を評価し、スコアを割り出しています。
このランキングでは日本の大阪が第2位、東京が第5位にランクインしており、パースより高い順位ではありますが、大きな差はありません。ちなみにブリスベンは第10位なので、パースはブリスベンより住みやすいということになっています。
世界140都市中の第6位にランクインしているということで、留学先としての治安問題で悩むことはないでしょう。
いくら安全とはいえ、油断は禁物
いくら治安に問題はないとはいっても、全く犯罪やトラブルに巻きこれる可能性がないとは言い切れません。
ブリスベン市内にも危険と言われているエリアはあるので、留学生は細心の注意を怠らないようにしましょう。
※ 参考元:https://www.eiu.com/n/auckland-tops-the-global-liveability-ranking/
パースの治安が良い理由
パースの治安を維持している要因の一つは「CCTV監視システム」です。セーフシティ戦略の一環として企業や市民にとってより安全な環境を作るために1991年7月に初めて監視システムが導入されました。
1日24時間、1週間7日、1年365日、常に監視センターで市内を監視し、西オーストラリア州警察と緊密に連携し、緊急事態への迅速かつ効果的な対応を確保することで、犯罪者の摘発と犯罪の抑止を行い、今では600台以上の監視システムによってパース市内の安全を守っています。
その他にも「The SafeCity Plan 2021-2025」というパース市の地域安全に関するサービスの枠組みを定めており、「住民、労働者、訪問者がパースを安全な都市であると認識してもらう」ために、5つの分野に焦点を置いて、目標達成に励んでいます。
市が率先して地域の安全を守っているからこそパースの治安は維持されているのです。
※ 参考元:CITY OF PERTH「Community safety and surveillance」
どのエリアの治安が悪いのか
市が率先して治安の改善に努めているパースですが、治安が悪いとされるエリアは存在します。今から紹介するエリアを訪れる際は十分に注意してください。
ウィリアムストリート(William Street)
中心街にあるウィリアムストリートは、昼間の治安は悪くないのですが夜間になると治安が悪くなるので要注意です。
夜間になるとホームレスが増えたり、喧嘩や暴行などの飲酒絡みのトラブルに巻き込まれたり、軽犯罪が発生しています。
昼間に訪れる分には何の問題もありませんが、夜間に訪れるのは避けましょう。
ノースブリッジ(North Bridge)
パースに住む現地の人でさえも夜間に訪れるのは避けるというノースブリッジ、バーやクラブが多くあるため飲酒絡みのトラブルが頻発しています。
また、ドラッグ売買が行われているとも言われているため、少し違和感を感じたらその場から立ち去るようにしましょう。
その他
パース市内のバーやクラブでは飲酒による暴行などの傷害事件、人のいない路地裏ではドラッグの売買取引が実際に行われています。
治安の良いパース市内でも犯罪やトラブルは発生しているので、上記であげた危険なエリア以外の場所でも常に防犯意識を忘れずに行動しましょう。
パースの犯罪率
「パース」と英語留学で定番の4都市「バンクーバー」「ニューヨーク」「ロサンゼルス」「ロンドン」、そして日本の首都「東京」で犯罪率と安全率を比較してみました。
各エリアの犯罪率と安全率のデータは、世界中の生活情報を記録している世界最大のデータベース「NUMBEO」より引用しています。
都市 | 犯罪率 | 安全率 |
---|---|---|
パース | 41.66% | 58.34% |
東京 | 23.5% | 76.5% |
バンクーバー | 37.5% | 62.5% |
ニューヨーク | 47.7% | 52.4% |
ロサンゼルス | 50.5% | 49.7% |
ロンドン | 53.5% | 46.6% |
表を見ると「東京」や「バンクーバー」に比べると犯罪率・安全率ともに劣ってしまっているものの、他の人気定番留学先には優っているということで、少なくとも他の地域に比べると安全であり、留学先としては過ごしやすいエリアと言えるのではないでしょうか。
ただ、この数値を見ると日本と同じ防犯意識でいると危険ということが分かります。留学生活をより良いものにするためにも防犯に対する意識改革が必要です。
※ 参考元:NUMBEO「About Crime Indices At This Website」
トラブル事例
ここでは、治安の良いパースでも留学生や観光客が巻き込まれる可能性のあるトラブルについて、いくつかご紹介します。
多くのパース留学経験者は事件やトラブルに巻き込まれず、無事に日本へ帰国していますが、実際に被害に遭われた方もいるので自分にも起こる可能性があることを前提に読み進めていただければと思います。
スリ・置引き
スリや置引きは被害に遭う方が非常に多くいます。
実際に日本人がショッピングセンターで買い物中にショッピングカートに入れていた鞄が盗まれるといった事例が報告されています。
また、ジャケットのポケットに入れていた財布を盗まれたり、食事中に椅子に掛けておいたジャケットから携帯電話や財布を盗まれることがあります。
とても犯罪をしなさそうな優しい人が実はスリ師ということもあり、知らないけど優しそうだから大丈夫と簡単に気を許してしまうと被害に遭っているというケースもあるた注意が必要です。
傷害・暴行事件
飲酒によるトラブルが暴行事件・傷害事件に発展することがナイトクラブやバーなどで発生しています。また、お客同士の喧嘩の仲裁に入ったところ暴行を加えられるといった事例も報告されています。
車上荒らし
パース市内で日本人が車上荒らしにあったという報告がされています。駐車場に自分の荷物を置いたまま車を離れたところ、窓ガラスが割られ荷物が盗まれてしまったという事件内容です。
その他、パースの市内で路上に駐車していた車の窓ガラスが割られ、荷物を奪われるという事件も頻発しています。
その他
治安の良いとされるパースでも日常的に大小様々、凶悪事件から軽犯罪等の事件が発生しています。外務省の海外安全ホームページにある「オーストラリア安全対策基礎データ」ではより詳しい情報が掲載されているので定期的に目を通すようにしましょう。
トラブル時の対処法
では、実際にパースでトラブルにあった際、どのように対処すればいいのでしょうか。
海外でのトラブルは、事前に対処法を認識し頭に整理できていることが被害を最小限に抑えてくれます。留学前に、しっかり抑えておきましょう。
基本的な対処法
まずは落ち着いて状況を把握しましょう。そこから次の動きを行ってください。
基本的に何かしらの事件やトラブルに巻き込まれた際は、現地の警察に向かうか自身が通う学校に連絡をしましょう。
また、英語で自身の状況について説明できるか不安な際は日本大使館に連絡しましょう。適切な指示を日本語で受けることができるので、安心して対処できるはずです。
また、何かしらの盗難・紛失にあった際は必ず現地の警察で被害届を提出しましょう。日本ほど無くなったものが自分の元へ戻ってくるということはありませんが、奇跡的に戻ってくる可能性もあるので被害届を提出しましょう。
【クレジットカードなどのカード系の盗難・紛失】
クレジットカードやキャッシュカードを盗られてしまった場合はカード会社に連絡し、カードを止めてもらいましょう。
もしかするとすぐ見つかるかもという安易の考えで、カードを止めなかったことが原因でカードが悪用されてしまうかもしれません。
カードの停止はそういった犯罪などに巻き込まれるリスクから避けることができます。
【携帯電話の盗難・紛失】
携帯電話の盗難・紛失にあった際は、まず携帯電話が悪用されないように遠隔で端末をロックしましょう。やり方がわからない方は「自分の携帯電話の機種名 リモートロック」と検索しましょう。
その次に携帯会社に連絡し、回線の停止を行いましょう。
これらは自分が犯罪に巻き込まるリスクを大幅に減らしてくれます。たとえ面倒と感じても非常に重要な行動です。悪用されるリスクを減らすために上記は忘れてはいけません。
緊急連絡先
パース警察・病院・消防全ての緊急時の連絡先は「000」で統一されています。
事件に巻き込まれた際や救急車の要請、火災に遭遇した際などの緊急時の連絡先は「000」です。
その他、 在パース日本国総領事館の電話番号は「市外局番08-9480-1800」です。事件に巻き込まれてしまったがどうしたらいいのか分からない人は、日本国領事館に電話を掛け指示を仰いでください。
またオーストラリア政府は「TIS」という無料通訳サービスを提供しています。警察や病院などでの英語による状況説明に困った際は「131450」に電話を掛けてください。日本語の話せるオペレーターの方が通訳してくれます。
緊急連絡先は外務省の海外安全ホームページにある「オーストラリア安全対策基礎データ」で確認することができます。渡航前に念の為、緊急連絡先を登録しておいても良いかもしれませんね。
【危機管理】予防のためにどうすればいいか
ここではいくつかの予防策を紹介します。これらはほんの一部にしか過ぎませんが、今後の参考にしてください。
危険な場所には絶対行かない・近付かない
危険な地域といわれている場所には近付かないようにしましょう。
渡航したらすぐに友人や学校の先生、ホストファミリーなど周りの人から危険だから行かない方がいい場所を聞いておくことをおすすめします。
実際に住んでいる人しか知らない、インターネットに載っていない危険な場所も存在するので、トラブルに巻き込まれないためにも、その土地に詳しい人から話を聞くことも大事です。
また、昼間は安全なエリアでも夜間になると危険なエリアになる場所があります。そのため夜間に外出する際は人気のない道や路地裏を避け、危険そうな場所はタクシーやその他の交通手段を用いるようにしましょう。
持ち物には細心の注意を払う
「持ち物から目を離さない、離れない」これは海外で生活する時にとても重要なことです。持ち物から離れるという行為は周りの人に「私のものを盗ってください」とアピールしているのと何の変わりもありません。
その他にも、車に荷物を置いて車から離れないようにしましょう。やむを得ない場合は車の外から見える位置に荷物を置かないようにしましょう。
座席の下のスペースや布などを掛けるなど見つからないような対策をしておくことが大事です。パースでは車上荒らしが多発しています。車内に置いておけば安全という考えは捨て、常に自分の持ち物には細心の注意を払いましょう。
派手なアクセサリーやブランド品、金目(かねめ)のものは身に付けない
海外に行くと気分も上がりおしゃれをしたくなる気持ちは分かります。
しかし、金品やブランド品、目立つものを多く身につけていると金持ちだと勘違いされてしまい、様々な犯罪のターゲットになる恐れがあります。
重要なことは目立たない、馴染むことです。ちょっとした心がけで犯罪やトラブルに巻き込まれるリスクを大幅に減らすことができます。
注意深い安全対策で、より良いパース留学ライフを送ろう
パースは「世界で一番美しい都市」といわれていますが、様々な犯罪がパース市内で起きており、100%安全かというとそうではないということを肝に銘じておきましょう。
ほんの少しの防犯意識の低下がトラブルに巻き込まれる原因となるので、トラブルに巻き込まれないためにも注意して生活することが大事です。
少しでもより良い留学生活を送るにはトラブルや犯罪を事前に防ぐことが重要です。この記事を参考に自分の防犯意識について見直してみるのもいいかもしれません。