フィリピン最大の都市マニラ。
経済成長に伴い、近年は日系企業やIT企業が増えていることもあり、インターンシップや海外就職を考えている人が多く集まるため、マニラへの英語留学を検討している方も多いでしょう。
しかし、留学前に誰しもが気になるのが、マニラの治安についてです。
「マニラは安全な国なのか」これから留学を検討されている方が気になる、マニラの治安情報についてまとめています。
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このページの目次
マニラの治安について
マニラ(正式名称:メトロ・マニラ)は、ルソン島の中西部に位置するフィリピンの首都で、17の行政区域で成り立っています。
フィリピン国家警察が公表している犯罪データをもとに、フィリピン通信社の記事によると、2021年マニラ首都圏では年間3.7万件・犯罪率0.28%、東京では年間7.5万件・犯罪率0.53%の犯罪が発生しました。
事件や犯罪の傾向は地域やエリアによって異なりますが、スリや置き引きなどの軽犯罪や、路上強盗や睡眠薬強盗などの犯罪が多くなっています。
自分の留学先でどのような事件や犯罪が多いのか、事前に認識して対策を考えておくといいでしょう。
※ 参考元:Republic of the Philippines PHILIPPINE NEWS AGENCY
マニラで治安の良いエリア
「THE BROKE BACLPACKER」の情報をもとに、マニラ首都圏のなかで比較的治安が良いとされているのは、下記の地域です。
- マカティ地区
- ケソン地区
- イントラムロス地区
- フォートボニファシオ地区
フィリピン国家警察が公表しているデータの犯罪率が低い地域が、比較的安全といえます。
ただし、どの地域にも足を踏み入れてはならない、危険な場所があるということを忘れてはいけません。
「自分の留学先は比較的治安の良い地域なので大丈夫だ」と油断することなく、海外にいるということを忘れずに生活をしましょう。
※ 参考元:THE BROKE BACLPACKER Is Manila safe for travel in 2022?
どのエリアの治安が悪いのか
マニラ首都圏で治安が悪いとされている地域として、下記の地域があげられます。
- トンド地区:スモーキー・マウンテン周辺
- マラテ・エルミタ地区
- ケソン市:レクト駅周辺
The Inquisitorが出しているフィリピン国家警察の犯罪データによると、上記のエリアではスリや路上強盗・いかさま賭博等による窃盗被害が多発しています。
またフィリピンは、世界で最も日本人の殺人事件が多い国としても有名です。
留学前には危険な地域を事前に把握し、現地到着後は語学学校の先生やクラスメイトなどに、他に危険な地域がないか、確認をすると良いでしょう。
※ いかさま賭博:親しげに声をかけてきた人物に、自宅等に案内されたのち、トランプゲームに誘われて、最終的に多額の掛け金を巻き上げられること
マニラの犯罪率
実際にフィリピン国家警察が公表している主要犯罪と、警察庁が公表している全刑法犯の認知件数をもとに、2021年のデータを比較しました。
- マニラ:37,626件(人口:1,348万人・犯罪率0.28%)
- 東京都:75,288件(人口:1,400万人・犯罪率0.53%)
犯罪率だけ見ると東京都よりも低いため、安心した方もいるかもしれませんが、日本の感覚でマニラへ行くと、危険な事件や犯罪に巻き込まれてしまう可能性が高まります。
近年フィリピン全体の犯罪率は減少傾向にありますが、他の都市と同様に殺人や銃器を使用した凶悪事件が発生しているのも事実です。
留学中は「自分の身は自分で守る」ということを念頭に入れて、事件や犯罪が身近で起こり得る可能性があるということを考えながら、生活を送るよう心掛けましょう。
トラブル事例
ここからは具体的に、留学生や観光客がよく巻き込まれてしまうトラブルについてご紹介します。
スリ・置引き
これは日本人が最も巻き込まれやすい犯罪の一つです。
貴重品を上着やズボンのポケットに入れたまま、人の多い場所へ行った際に盗難に遭ってしまったり、席を確保するために置いたカバンを持ち去られてしまったという話を聞きます。
貴重品は必ず、チャック付きのカバンやリュックサックに入れ、普段から肌身離さず持ち歩くようにしましょう。
強盗
夜間の路地で身につけて いた貴金属を強奪されたり、拳銃や刃物で脅されたのち、所持品や金品を要求される事件が発生しています。
普段から貴重品は最小限に控え、少しでも周りで異変を感じたらすぐに気を付けるよう、危険が身近にあることを心掛けて生活をするようにしましょう。
車上荒らし
マニラでは、車上荒らしによる被害が増えています。
車上荒らしと聞くと、人がいなくなった隙を狙って、窓ガラスを壊して盗みを行うことをイメージされるかもしれませんが、マニラでは信号待ちなどしている運転手を拳銃で脅し、金品を奪い取るケースなどもあります。
また駐車する際には、人目が多く明るい場所を選び、車から離れる際には必ず貴重品を持ち歩くようにしましょう。
トラブル時の対処法
留学中どれだけ気を付けていても、犯罪やトラブルに巻き込まれてしまう可能性は誰にでもあります。
実際にトラブルに巻き込まれてしまうと、慣れない英語での対応が必要となるため、不安に思われるかもしれません。
しかし、事前に発生する可能性があるトラブルを想定をしておくことで、実際に発生してしまった時に、落ち着いて対応することができますよ。
それでは具体的にどのようなトラブルが発生する可能性があるのか、一緒に考えていきましょう。
<トラブル一例>
- 風邪を引いてしまった、体調を崩してしまった
- 交通事故に遭ってしまった
- 財布、携帯などの貴重品を落としてしまった
- 犯罪トラブルに巻き込まれてしまった
- 対人関係のトラブル
一般的なトラブルとしては、このような例があげられます。
それでは次に、具体的な対処方法についてご紹介します。
緊急時の連絡先(警察・消防・救急車)
マニラでの緊急時のホットライン(警察・消防・救急総合)は、「911」です。
警察署や消防へ直接連絡する場合は、地区ごとに電話番号が異なるので、滞在予定の連絡先を事前に確認しておくと良いでしょう。
【警察への連絡】
地区 | 連絡先(電話番号) |
---|---|
マニラ首都 | 911 / 117 |
マカティ市 | 168 |
タギッグ市 | 8642-2060 / 8642-3582 |
【消防への連絡】
地区 | 連絡先(電話番号) |
---|---|
マニラ地区(指令センター) | 8527-3653 / 8527-3627 |
マカティ市 | 8818-5150 / 8816-2553 / 8844-3313 |
タギッグ市 | 8837-0740 / 8837-4496 |
パサイ地区 | 8844-2120 / 8843-6523 |
ケソン地区 | 8924-1922 / 8330-2344 |
【救急車への連絡】
救急車 | 191 |
また、うまく英語が話せなくて不安に思う方は、在マニラ日本国総領事館と邦人援護ホットラインを事前に登録をしておきましょう。
連絡先 | 電話番号 |
---|---|
在フィリピン日本国総領事館 | 032-231-7321 / 032-231-7322 |
邦人援護ホットライン ※ 人命に係わる緊急案件に関しては24時間体制で対応可能 | 82-551-5786 |
クラスメイト・ルームメイト
まずは、気持ちを落ち着かせることが大切です。自分の身に起きたことをラスメイト・ルームメイトなど、身近にいる人や普段から連絡を取っている人に相談しましょう。
今後どのように行動すべきか、一緒に考えてくれてくれるはずです。
留学エージェント
営業時間内で連絡が取れるようなら、留学エージェントに連絡をしてみましょう。
ただし、早朝や夜間などは営業時間外で繋がらない時間帯もあるため、注意が必要です。
学校の先生やサポートスタッフ
留学エージェントへ連絡が繋がらない場合は、学校の先生やサポートスタッフに連絡をしてみましょう。
なかには個人の連絡先を教えてくれる先生もいるため、スムーズに連絡が取れる可能性もありますよ。
たびレジを登録
「たびレジ」とは、外務省から留学先の最新の安全情報を日本語で受信できるサービスです。
現地で事件や事故に巻き込まれた際も、素早く支援をしてくれます。
現在はコロナ等の最新情報も配信をしてくれるので、渡航する際は登録しておくことをおすすめします。
風邪を引いてしまったり、事故に遭ってしまったり、このようなトラブルはいつ発生するか予期することができません。
万が一、不測の事態に巻き込まれた場合、フィリピンは医療制度があまり整っていないため、必要な治療・補償が受けられなかったり、多額の費用が掛かったりするケースもあります。
また、デング熱・ジカ熱・A型肝炎等のフィリピン特有の病気にも注意が必要となるため、マニラ留学をする際には、必ず保険に加入しておきましょう。
安全対策をして、充実したマニラ留学を!
近年著しい経済発展を遂げており、日本とほとんど変わらない生活を送れる場所として知られているマニラですが、多くの日本人留学生が犯罪や事件に巻き込まれているのも事実です。
特に何も知らずに犯罪率の高いエリアへ行くことは、とても危険な行動です。
しかし、前もってマニラでの犯罪やトラブルを想定しておくことで、犯罪リスクを減らすことにも繋がるので、皆さんしっかり備えていってくださいね。
マニラ留学は誰にとっても、人生の一大イベントで多くの経験ができ、今後の人生に大きな影響を与える期間であるはず。
現地での安全対策を怠らず、充実したマニラ留学にしてくださいね!