フィリピンの留学費用はいくら? 留学期間別の学費やそのほか生活費等の内訳

cost

アメリカやカナダと比べて安く留学できることで人気のフィリピン留学。でも、どれだけ安く抑えられるからといっても、留学費用が気にならないわけではないですよね。

日本の若者に人気のフィリピン留学には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。

記事では、フィリピン留学にかかる費用を生活費等も含めて解説します。細かい費用の内訳や留学期間別の費用もまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。

↓フィリピン留学の学校に関する情報は以下をチェック↓

exchange-student

【全体総括】フィリピン留学の期間別費用の目安

dollar

まずはじめに、フィリピン留学にかかる費用の総括を説明します。

フィリピン留学には、1カ月で約15〜30万円・3カ月で約35〜70万円・半年で約60〜130万円・1年間で約125〜250万円がかかります。

フィリピン留学の期間費用の目安
1カ月約15〜30万円
3カ月約35〜70万円
半年約60〜130万円
1年間約125〜250万円

上記の費用内には、「入学金・学費」「航空券代等の渡航費」「生活費」「滞在費」が含まれています。

一方で、「パスポート・ビザ申請費」「現地での交通費」「海外留学保険料」「交際費」などは含まれていません。

【全体総括】フィリピン留学の内訳別費用の目安

続いて、フィリピン留学の内訳別の費用の総括を説明します。

「留学」というと、主に学費ばかりに意識が向きがちですが、当然、諸々の手続き費用や現地での生活費も考慮しなければなりません。

全体の内訳別に見たフィリピン留学(1カ月)の費用は以下の通りです。

費用の内訳費用の目安
入学金・学費約10万円
航空券代(往復)約6万円
パスポート・ビザ申請費約2万円
健康診断料約3万円
海外留学保険料(半年有効)約1万円
寮デポジット約7,000円
生活費約4万円
空港税約2,000円

パスポート・ビザ申請費のなかには、フィリピンで勉強するために必要なSSP申請費やフィリピンからの出国許可証であるACR-Iカード費なども含んでいます。

寮デポジットとは、日本の賃貸契約時に発生する「敷金」と同じようなものであり、退室時に主だった修繕箇所がなければ全額戻ってくる費用のことです。

アメリカ・オーストラリア・カナダとの留学費の比較

フィリピン留学は一般的に「安い」というイメージがありますが、同じく英語留学で人気の高いアメリカ・オーストラリア・カナダとはどれくらい留学費用に差があるのでしょうか。

先ほど表でご説明した通り、どの留学先を選ぶか・現地でどんな生活を送るかによって、もちろんかかる費用は異なります。

あくまで参考程度ですが、主要国別の留学費用の違いは以下の通りです。

留学の期間フィリピンアメリカオーストラリアカナダ
1カ月約15~30万円約60~70万円約40~50万円約40~50万円
3カ月約35~70万円約140~160万円約70~100万円約80~100万円
6カ月約60~130万円約280~320万円約130~200万円約160~200万円
1年間約125~250万円約560~640万円約300~400万円約320~400万円

上記の表は各国留学の「入学金・学費」「航空券代等の渡航費」「生活費」「滞在費」の目安費用です。

こうして並べてみると、アメリカ・オーストラリア・カナダと比べてフィリピンがひとつ抜けて格安であることがわかります。

安いだけが留学先を選ぶ基準ではありませんが、とはいえ費用を抑えて英語留学できることは多くの人にとって魅力的です。

しかし、なぜフィリピン留学はこんなにも費用が安いのでしょうか?

フィリピン留学が安い理由

passport

フィリピン留学がアメリカやオーストラリア・カナダと比べて安い理由は、フィリピン留学がアメリカやオーストラリア・カナダと比べて安い理由は、「物価水準が低いため」です。

厳密にいうと国別にモノやサービスの価格水準は個別に異なりますが、ここでは分かりやすく考えるために2022年のマクドナルドのビッグマックの価格で比較してみます。

順位国名USドル価格日本円価格
1位アメリカ$5.81669円
2位カナダ$5.32613円
3位オーストラリア$4.51520円
4位フィリピン$2.79321円
日本$3.38390円

※ 参考元:The Economist「The Big Mac index」

同じビッグマックの価格で比較しても、他三か国と比べてフィリピンの価格水準が低いことがわかります。

また、「総務省統計局」が発表している「世界の統計」内に記述されている国別の月平均賃金の統計データを見てみると、アメリカの平均月収が4,502ドル(約57万円)なのに対し、フィリピンは309ドル(約3.9万円)であり、国民の所得水準がまったく異なることがわかります。

近年では、フィリピンの物価水準も上がってきており、将来的には欧米との差が縮むことが予想されますが、まだまだ物価水準の低い国といえるでしょう。

物価水準が低いからこそ、仮に欧米と同じ留学サービスが提供されていたとしても、コスパよくサービスを受けることができるのです。

※ 参考元:総務省統計局「世界の統計 2022」

フィリピン留学の出発前にかかる費用の内訳

ではここからは、フィリピン留学にかかる費用を項目ごとに細かくご説明していきます。

まずは、フィリピンへ出発する前までにかかる費用の内訳です。

入学金・学費

フィリピンの語学学校に支払う入学金・学費は、スタンダードなプランで1週間4万円・1カ月16万円が平均的な価格帯です。

語学学校によっては、学校近くのホテル寮やコンドミニアム寮の滞在費も合算されているケースもあり、その場合は1カ月で20万円以上になることが多いです。

また、専門的なカリキュラムの英語学習を行なうコースの場合もやや割高になります。

そのほか注意点としては、料金の表示が日本円の場合とアメリカドルの場合がありますので、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

アメリカドルの場合は、日本円の円安時に契約すると、実質的な負担額が増えるので注意が必要です。

航空券代

フィリピンへの渡航にかかる航空券代は、往復でおよそ5~7万円です。

ただし、需要が増す夏休みや年末年始などであれば往復15万円ほどに高騰することがあります。そのため、航空券は余裕をもって安い時期に購入しましょう。

パスポート・ビザ申請費

パスポートを持っていない場合は当然パスポートが必要です。

パスポートの取得には、パスポートの種類や年齢に関係なく必要な「都道府県収入証紙」と、パスポートの種類別の「収入印紙」が必要です。

「都道府県収入証紙」は一律で2,000円。「収入印紙」は、10年間有効旅券が14,000円・5年間有効旅券が9,000円となります。

つまり、2つを合計して、10年間有効旅券を取得する人は16,000円・5年間有効旅券を取得する人は11,000円を持って窓口で手続きを行なう必要があります。なお、申請は取得者本人しかできないので注意してください。

フィリピンのビザは滞在が30日以内であれば必要ありません。

滞在が30日以上の場合は、滞在が8週間までは3,440PHP(約8,600円)12週間までは8,150PHP(約16,300円)が必要であり、4週間ごとの更新となります。

なお、旅行ではなく留学の場合は語学学校のスタッフが代理で申請・取得をしてくれるケースが多いそうです。

健康診断料

フィリピン留学では事前に英語表記の健康診断を求められます。

一般的な留学コースであれば、約2~4万円の費用がかかります。留学先の語学学校やコースによっては、健康診断の項目を指定される場合もあります。

海外留学保険料

クレジットカードを保有している人は、クレジットカードに付帯している海外旅行保険で十分かもしれません。

しかし、事前にどのような条件で保険適用されるか確認は怠らないようにしましょう。

自動的に保険が有効になるカードから、一定額以上を現地で決済しないと適用されないカードがあります。

クレジットカードの海外旅行保険だけでは不安な人は、別途に海外保険サービスに加入しておくと安心でしょう。

国内には、以下のような海外保険サービスがあります。

  • 損保ジャパン日本興亜
  • ジェイアイ損害火災保険会社
  • エイチエス損害保険
  • 三井住友海上保険
  • AIG損害保険会社

これらの保険には、1カ月の期間で1~2万円ほどの費用から加入することができます。

現地生活でかかる費用の内訳

cebu-beach

つづいて、フィリピン留学の現地生活でかかる費用の内訳をご説明します。

留学では「入学金・学費」ばかりに意識が行きがちですが、現地生活でかかる費用もしっかり考慮に入れておきましょうね。

ACR-Iカード費

ACR-Iカード(Alien Certificate of Registration)とは、59日を超えてフィリピンに滞在する外国人に取得が義務付けられている「外国人登録証」のことです。

取得費用は約3,000PHP(約7,500円)です。

ACR-Iカードは、現地の移民局(イミグレーションオフィス)にて申請が可能です。留学生本人の指紋登録などが必要なため、本人が移民局に出向かなければなりません。

SSP申請費

SSP(Special Study Permit)とは、外国人がフィリピン国内で合法的に勉強するために必要な「特別就学許可証」のことです。

フィリピンへの留学生は全員必要で、現地の語学学校でペソで支払います。申請費用は6,000PHP(約15,000円)または6,500PHP(約16,250円)です。

SSPの有効期限は6カ月なので、留学期間が6カ月を超える場合は再申請が必要です。また、語学学校を転校する際にももう一度申請しなければなりません。

ECC

ECC(Emigration Clearance Certificate)は、フィリピンを出国する際に出国者がフィリピンで犯罪を犯していないか・ビザの手続きに問題がないかを証明する「出国許可証」です。

対象は6カ月以上、フィリピンに滞在していた人です。

申請費用は2,880PHP(約6,624円)。ECCの有効期限は1カ月間なので、フィリピンを出国する1・2週間前ほどに申請するようにしてください。

教材費

フィリピン留学の語学学校では、第三者の教材や資料をコピー(印刷)して使用するケースが多く、その場合、教材費は安価です。

ただし、なかには語学学校が制作している教材や市販の教材を購入しなければならないケースもあり、そのような場合は1冊あたり2,000円以上はかかります。

細かい項目ではありますが、語学学校への申し込み前に「教材費はいくらかかるか?」を聞いておくのが良いでしょう。

生活費

フィリピンは日本に比べて物価の低い国のため、1週間で1万円ほど・1カ月で4万円ほどで生活ができます。

具体的な例でいうと、350ペソ(約800円)ほどでおしゃれなレストランでランチができ、タクシーに1時間ほど乗車しても250ペソ(570円)くらいとリーズナブルです。

ただし、もちろん留学者本人の生活スタイルによって生活費の額は変わってくるので、例えば週末にダイビングなどのレジャーや観光を積極的に楽しむと1カ月10万円以上かかるかもしれません。

光熱費

フィリピンの特徴は光熱費が意外にも高いことです。

アジアのなかでは日本に次いで電気代が高い国といわれています。

フィリピンの電気代が高い理由には、以下があげられます。

  • 盗電の発生件数多いため
  • キロワット数あたりの電気代が高いため
  • 年間を通して気温が高く、エアコン使用時間が長くなるため
  • 電化製品がエコではないため

電気代は非常に高いですが、一方で水道代・ガス代は安いため、光熱費は実質ほとんどが電気代という内訳です。

よって、フィリピンで1人暮らしをした場合の光熱費は月5,000~10,000円ほどは想定しておいたほうがよいでしょう。

寮デポジット

フィリピン留学で語学学校が提供している寮に滞在する場合、デポジット料を支払う必要があります。

デポジット料は日本でいう「敷金」のようなもので、寮の退出時に部屋の修繕にあてられる費用のこと。特に修繕する箇所がないと判断された場合には、全額戻ってくることもあります。

滞在期間や寮のタイプによっても違いはありますが、一般的な寮デポジットの費用は4,000PHP(約10,000円)です。

フィリピン留学の費用を抑えるポイント

philippines-national-flag

英語留学できる国のなかでは、随一といってもいいほど費用を抑えることのできるフィリピン。

でも、「もっと安く抑えるための節約術を知りたい!」という声もあるかと思います。次はフィリピン留学の節約術を紹介します。

以下の節約ポイントを抑えることで、さらに留学費用を安く済ませることができるはずです。

オフシーズンを狙って留学する

まずはフィリピンのオフシーズンを狙って留学計画を立てることをおすすめします。

観光客の多い夏季休暇の季節やゴールデンウィーク・年末年始は航空券も値上がりし、現地の観光客向けのサービスも高騰しがちです。

どうしても上記のタイミングでしかフィリピンに留学できないケースを除き、オフシーズンに調整して留学することで出費を抑えることができるでしょう。

格安航空会社のチケットを購入する

航空券を格安航空会社のチケットで購入することで、費用が抑えられる場合があります。

国内の「トラベルコ」や「Skyscanner」といった航空券検索サイトだけでなく、英語で海外の比較サイトを調べることで、通常より数万円安いチケットに出会えることがあります。

また、「直行便」だけでなく「乗り継ぎ(トランジット)」も条件に含めると値段が安くなる場合があります。航空券はすぐには買わず、少し手間はかかりますが、いろいろなサイトで条件を変えて調べてみてください。

※ 参考元:トラベルコ – 旅行比較サイト|格安航空券・ホテル・ツアー

※ 参考元:格安航空券の比較【スカイスキャナー】国内・海外・LCC飛行機チケットの最安値検索

各団体の奨学金制度等を利用する

フィリピン留学に適用される各団体の奨学金制度等を利用することで、費用を抑えることができます。

大学や大学院を通じて留学する際は、各学校に奨学金制度の枠があるでしょう。

また、「トビタテ!留学JAPAN」や「佐藤陽国際奨学財団」などの民間団体の制度にも、留学費を抑える制度が多くあります。

ただし、これらの制度は各団体で応募資格を設けているので、全ての人が対象ではない点に注意が必要です。

ホテルや一人暮らしではなく、寮に滞在する

フィリピン留学では、学校近くのホテルや賃貸を借りて一人暮らしをするという手段もありますが、語学学校が用意している寮に滞在したほうが家賃を抑えることができます。

寮の居住費や寮での食費まで留学プログラムに含まれているのであれば、利用したほうがお得でしょう。

また、お金ではないですが、海外で一人暮らしの手続きを行なうのはなにかの面倒や心労が多いと思いますので、その点でも寮への滞在がおすすめです。

円高の時期を狙って為替交換する

可能であれば、円高の時期を狙ってフィリピン留学をすれば費用を抑えることができます。

日本円の価値が高いほうがアメリカドルやフィリピン・ペソと日本円を安く交換可能です。

余分な授業数を減らす

フィリピン留学の語学学校の多くは、授業数ごとに費用が加算される仕組みとなっています。

それぞれの留学者の英語学習の目標や現状の英語力で必要な授業数(コマ数)は異なるかと思いますが、自分に不要な授業は減らすことで費用を抑えることができます。

語学学校に言われたまま、授業のコマ数を組み立てるのではなく、自習で補えるところは自習に差し替えるなど主体的に授業プランを組み立てる意識が重要です。

ローカルな飲食店や自炊で食事をとる

フィリピンの物価は日本と比べ低いですが、日本食レストランや観光客向けの高級レストランで食事すれば当然食費がかさみます。

日々の食費を抑えるためにも、現地のローカルな飲食店で食事をとるか、少し頑張って自炊をすことで食費はかなり抑えることができるでしょう。

予算を抑えて英語留学するならフィリピンがおすすめ

フィリピンはアメリカやカナダと比べると渡航しやすく、留学費用も格段に抑えることができます。

「お金をかけずにがっつり集中して英語学習をしてみたい」「まずはフィリピン留学で短期間の英語留学を経験してみたい」といった要望の方に、フィリピン留学はとてもフィットすることでしょう。

記事で解説してきたように、フィリピン留学には学費だけでなく、たくさんの項目の費用がかかります。

記事の内容を参考にしながら、現実的な家計プランを立て、余裕をもった状態でフィリピン留学へ進まれてくださいね!