留学のファーストステップとして人気な「フィリピン」!
物価は日本に比べて3分の1、日本からフィリピンまで約4時間という好条件に加え、マンツーマンレッスンを主流とする授業スタイルにより、短期間で大幅な英語力の向上が見込めることで注目を浴びています。
ただ、気になるのは留学先の治安問題です!
記事ではフィリピンの治安事情、巻き込まれやすいトラブル、対処法と予防策などを分かりやすくまとめています。
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このページの目次
フィリピンの治安について
【平和ランキングと安全レベルで分かる治安状況】
フィリピンは、近年日本だけでなくアジアの様々な国からも非常に人気な語学留学先です。
また、多くの人気リゾート地が存在し観光客も増えたため、以前と比べると治安ははるかに良くなりました。
ただ、国際的シンクタンク『経済平和研究所(IEP)』が発表した世界の平和度を示す番付によると、日本は163カ国中9位であることに対して、フィリピンは129位であり、一概に「フィリピンは治安がいい」と断言するのは難しいといえます。
しかし、日本の外務省が発信している、それぞれの地域の危険度を4段階に分けて表した「海外安全ホームページ」によるとフィリピンのほとんどの地域はレベル1となっており、注意は必要ですが他の国とあまり変わらないことが分かります。
ただ、危険レベル3に設定されている地域もあるので、そこには絶対に近付かない・行かないようにしましょう。
※ 参考元:経済平和研究所(IEP):「Global Peace Index2020」より
フィリピンの治安が良い理由
フィリピンは治安が良いと断言することはできませんが、近年フィリピンの治安が大きく改善されたのは確かです。
これは、2016年のドゥテルテ大統領就任により、フィリピンの治安は大幅に改善されたためです。
ドゥテルテ政権の発足以降は犯罪件数も減少傾向を示しており、就任後すぐに、過激ともいえる麻薬の売人やマフィア殲滅作戦・違法ドラッグの取り締まりなど徹底した防犯対策を国をあげて行ない、治安の改善を進めていきました。
その他にも、『matatag, maginhawa, at panatag na buhay para sa lahat 』=『すべての人にとって安定した、快適で安全な生活』というフィリピン国民の長期的ビジョンを実現すべく、安全・安心・秩序を構築するための取り組みや様々な形態の犯罪・違法薬物・国際犯罪・人身売買・暴力的過激派に対抗する犯罪撲滅キャンペーンに尽力をつくし、治安改善に努めています。
どのエリアの治安が悪いのか
「外務省 海外安全ホームページ」等の情報によると、フィリピン国内で治安の悪いエリアは「ミンダナオ島の一部地域」「スル諸島」「マニラ市内」の3エリアです。
ミンダナオ島(一部地域)
イスラム過激派と紛争がまだ完全には収束しておらず、イスラム過激派組織による爆弾テロ事件や身代金目的の誘拐事件、高レベルの犯罪、治安部隊と反政府勢力間の激しい衝突等が多発しているため、全地域が治安レベル2以上、西側は治安レベル3に指定されています。
この地域では実際に外国人が誘拐され、人質になってしまったというケースもあるため、興味本位でこの地域に訪れるような真似は決してしないでください。
スル諸島
パラワン島の南の海域を含むスル諸島では、テロ・誘拐・海賊行為の深刻な脅威があります。
観光客を身代金目的で誘拐することで知られるイスラム過激派組織『アブサヤフ』の拠点がここにあり、この組織と関係を持つ地方公務員も存在するそうで、身代金の分前(わけまえ)を得るためにグループの誘拐に目をつぶるという事件が実際に起きているそうです。
危険度レベルはレベル2以上であるため、もし渡航することがある際は十分な注意を払ってください。
マニラ市
マニラはフィリピンの首都であり、高層ビルやショッピングセンターなどが立ち並び多くの人が集まる街です。
そのため、マニラは比較的安全と思われることが多いですが、実際は治安が良いとは言えません。
観光客や留学生はしばしば軽犯罪や窃盗の標的にされ、トラブルに巻き込まれてしまうということが実際に起きています。
その他にも詐欺やぼったくり・誘拐・睡眠薬強盗など色々な事件がマニラでは発生しています。
また、マニラには多くのスラム街が存在し、興味本位でスラム街に行った人がスリや強盗に遭うということもあるのでできるだけスラム街には近付かないようにしましょう。
また、マニラにはチャイナタウン、いわゆる中華街があるのですが、多くの人がイメージする日本の中華街とは違うので気をつけましょう。治安が良くないため、現地の人でさえ行かないようにしているそうです。
フィリピンで治安が良いとされている都市
- セブ島
- バギオ
- クリーク
- ダバオ
- マニラ
- マカティ
※「治安が良い」といっても日本程は良くありません。犯罪は実際に起きているので十分注意が必要です
フィリピンの犯罪率
フィリピンの語学留学に人気で、発展している3都市「マニラ」「セブ島」「ダバオ」と定番の語学留学4都市「ニューヨーク」「ロサンゼルス」「ロンドン」「バンクーバー」で犯罪率と安全率を表にして比較しました。
世界中の生活情報を記録している世界最大のデータベース『Numbeo』から引用しています。
(詳しい計算方法についてはこちら:NUMBEO「About Crime Indices At This Website」)
都市 | 犯罪率 | 安全率 |
---|---|---|
東京 | 23.5% | 76.5% |
マニラ | 64.5% | 35.6% |
セブ島 | 51.5% | 48.5% |
ダバオ | 27.7% | 72.3% |
バンクーバー | 37.5% | 62.5% |
ニューヨーク | 47.7% | 52.4% |
ロサンゼルス | 50.5% | 49.7% |
ロンドン | 53.5% | 46.6% |
表を見るとフィリピンのマニラが1番犯罪率が高く、安全率が低いと言えますが、他の都市を見てください。
セブ島はその他の語学留学の定番都市との犯罪率・安全率ともに大きな差異はなく、ダバオに関しては東京を除いて考えると犯罪率・安全率ともに断トツで1位です。
つまり、一概に「フィリピンは治安が悪いので、語学留学で渡航する国としては不適切である!」というわけではないのです。
トラブル事例
ここでは、留学生や観光客がよく巻き込まれてしまうトラブルについていくつかご紹介します。
多くのフィリピン留学経験者は事件やトラブルに巻き込まれず、無事に日本へ帰国していますが、実際に被害者の方もいるので自分にも起こりうる可能性があることを前提に読み進めていただければと思います。
スリ・置引き
これは最も日本人が巻き込まれやすい犯罪の一つです。日本人がよくやりがちな危険行為で、ズボンの後ろポケットに財布や携帯を入れていたり、フードコートやレストランの席取りで荷物をテーブルの上に置いて座席を離れることが良くあります。
それらの行為は海外において「私の貴重品・荷物はここです!盗ってください!」と言っているようなものです。
そのほかにもストリートチルドレンに囲まれていつの間にか貴重品を盗られていたり、ジプニーという乗合バスに乗ってる最中に盗られていることもあるので十分な注意が必要です。
ひったくり
ひったくりもフィリピンでは非常に頻繁に発生し、フィリピンへ留学したほとんどの方が一番最初に気をつけるように言われる犯罪がひったくりです。
フィリピン留学希望者の多くは今まで日本で生きてきてバッグの持ち方を意識した事はないと思いますが、フィリピンや他の国では「車道側にバッグを出さない」や「バッグは前に持つ」などは常識です。
バイクの多いフィリピンでは、車道側にバッグを出して歩いている人は最高のターゲットです。自ら「私のバッグはここです!取れるもんなら盗ってみな」とアピールして歩くことは危険極まりない行為です。
強盗
街中を歩いていると突然見知らぬ集団に囲まれ拳銃を突きつけられ金品を盗まれるという事件に、実際に日本人が巻き込まれたという報告があります。
また、日本語が軽く話せる親切そうな現地の人と仲良くなり、飲食店へ行った際、飲み物に睡眠薬を入れられ金品を盗まれるといった睡眠薬強盗も発生しています。
その他
その他にもクレジットカードのスキミング被害やタクシーのぼったくり、タクシー強盗、ホテルでの強盗、そして女性の方で性犯罪に巻き込まれてしまった事例も発生しています。
日本では聞き馴染みのないトランプ詐欺など、様々な種類の犯罪が発生していますので十分に注意しましょう。
※ トランプ詐欺とは:トランプを利用したイカサマ賭博のことで、現地の人にトランプゲームを誘われ一緒にプレイしてみるが、イカサマされているため負けるようになっており、その分のお金を取られてしまう犯罪
トラブル時の対処法
では、実際にフィリピンでトラブルにあった際、どのように対処すればいいのでしょうか。
海外でのトラブルは、事前に対処法を認識し頭に整理できていることが被害を最小限に抑えてくれます。フィリピン留学前に、しっかり抑えておきましょう。
財布・クレジットカード等の盗難にあった際の基本
まずクレジットカードやキャッシュカードを盗られてしまった場合はカード会社に連絡し、カードを止めましょう。携帯を盗られてしまった場合も、同様に携帯会社に連絡し携帯を止めてもらいましょう。
次に自分の通う語学学校に連絡し被害状況を伝え、学校の指示に従いましょう。パスポートが盗まれたとしても、現地の日本大使館にいけば再発行できるので安心してください。
何かしらのトラブルに巻き込まれたとしても学校や日本大使館に頼ってください。適切な指示を受けることができるので、その指示に従い、正しい判断・正しい対処ができれば大丈夫です。
強盗やひったくりにあった時の基本
まず強盗にあった時は必ず相手の要求に従ってください。金品を差し出せば、何も危害を与えない可能性もあるので、決して抵抗はしないでください。
また、捕まえられそうな相手でも決して捕まえたり、追いかけたりしないでください。
ひったくりにあった場合も同じです。基本的に自分の身を守ることを最優先にします。身の危険を感じたら、全て差し出て下さい。
なお、ひったくりは2人組のバイクで突然歩いている人のバッグを掴んだまま逃走することがほとんどです。
ひったくりにあった際にバッグを離そうとせず、バイクでバッグと一緒に引きづられ命を落としてしまったという事例もあるので、諦める勇気も忘れないで下さい。
その後の対処法は財布・クレジットカード等の盗難時と基本的には同じです。
【危機管理】予防のためにどうすればいいか
どのようなトラブルが発生するかわかったうえで、予め対策を知っているとトラブルに巻き込まれる確率を大幅に減らすことができます。
ここで紹介する危機管理のポイントはほんの一部にしか過ぎませんが、今後の参考にしてください。
危険な場所には絶対行かない・近付かない
スラム街や危険地域には行かないようにしましょう。
YouTubeの撮影や興味本位でスラム街を訪れている人を見かけますが、本当に危険です。「動画の視聴回数よりも自分の命」。
自分の身をわざわざ危険に晒すことは絶対に避けてください。
派手なアクセサリーやブランド品、金目のものは身に付けない
日本人は普通にしていても現地の人からするとお金持ちという印象を持たれています。加えて、金品を身につけていればなおさらお金持ちだと思われ、様々な犯罪の標的になってしまいます。
また、露出の多い服も性被害に巻き込まれる可能性を高くしてしまうので控えましょう。
ジプニー(乗合バス)や流しのタクシーには乗らないようにする
フィリピンならではの移動手段であるジプニーや流しのタクシーは色々なトラブルを生み出す原因になります。
スリやぼったくりの被害者にならないように「Grab」や「Uber」などの配車アプリの利用をおすすめします。
夜間の一人歩きはしない
日本では問題のない夜間の一人歩き、フィリピンでは非常に危険です。現地人でも深夜の一人歩きを避ける人もいるぐらいなので、留学生や観光客はなおさら避けるべきです。
夜道を一人で歩いていて、突然襲われる事はフィリピンに限らず海外では日常的にあります。
人を信用しすぎない
海外で人に親切にされると、その人を信用しすぎてしまうことがあります。
親切心からそのようにしてくれる人もいるのですが、人の弱みにつけ込み悪いことを企んでいることもあるので、誰でも構わず優しくしてくれる人を信用するのはやめましょう。
時には人を疑うことも大事です。
警戒心を忘れずにフィリピン留学で英語力を磨こう
フィリピンにある多くの語学学校はガードマンや防犯カメラなどしっかりとしたセキュリティと比較的治安の良い場所に立地しており、その他にも学校のスタッフがいろいろとサポート・ケアをしてくれているため安全です。
ただ学校の外に出てしまうと、学校が常に守ってくれているわけではないので、自分自身で身を守らなければならず、間違った知識や日本と同じ水準の防犯意識ではかえって身を危険に晒してしまいます。
そのためにも正しい情報収集と事前の予防、対策は必ず行ないましょう。この記事が皆さんの留学生活をより素晴らしいものにする手助けになることを願っています。