英語留学先として人気のアメリカですが、誰しもにとっておすすめというわけではなく、おすすめしない人は存在します。では、具体的にどのような人にはおすすめしないのでしょうか?
記事では、アメリカ留学を夢見ている人に「本当に自分に適しているのか」を一度冷静に立ち止まって考えてもらうことを目的に、アメリカ留学のデメリットとどのような人に向いているのかを解説。アメリカ留学希望者の参考になる情報をお届けします!
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このページの目次
アメリカ留学をおすすめしない理由一覧
アメリカ留学をおすすめしない理由は、大きく5つの要因に分けられます。それが以下の5つです。
- 留学費用がトップクラスに高い
- 治安は欧米先進国のなかでも悪い
- 車がないと不便な地域が多い
- 現地で就職やアルバイトがしづらい
- 物価・医療費がとにかく高い
ここからは上記5つの要因をさらに深掘りしていきながら、アメリカ留学がおすすめできない理由を解説していきたいと思います。
留学費用がトップクラスに高い
アメリカは英語留学先として長年人気の高い国ですが、留学全体にかかる費用は他の留学候補国と比べるとトップクラスに高いです。
以下に他の英語留学国であるカナダ・オーストラリア・イギリス・ニュージーランドと期間別の留学費をまとめてみました。
留学期間 | アメリカ | カナダ | オーストラリア | イギリス | ニュージーランド |
---|---|---|---|---|---|
1カ月 | 約60~70万円 | 約40~50万円 | 約40~50万円 | 約50~80万円 | 約40~50万円 |
3カ月 | 約140~160万円 | 約80~100万円 | 約70~100万円 | 約120~200万円 | 約70~100万円 |
6カ月 | 約280~320万円 | 約160~200万円 | 約130~200万円 | 約230~380万円 | 約130~200万円 |
1年間 | 約560~640万円 | 約320~400万円 | 約300~400万円 | 約440~740万円 | 約300~400万円 |
上記の費用は、語学学校への学費だけでなく滞在費(家賃)や生活費、航空券代などその期間の留学にかかる総額を示しています。
あくまでおおよその目安ではありますが、アメリカはイギリス以外の国と比べて、費用がかさんでしまうことを避けるのは難しいでしょう。
持続的な円安でより一層、費用がかさむことに
海外留学希望者にとって、耳の痛い話題が「円安」に関する問題です。2022年10月には、1990年8月以来およそ32年ぶりの「1ドル = 150円台」まで値下がり。
現在(2023年1月11日時点)には「1ドル = 132円台」まで回復したものの、中長期的には円安傾向が続くと叫ばれています。
当然、現在の円安が続くと海外旅行者だけでなく、海外留学生にとってもお財布の負担が大きくなってしまいます。
加えて、日本国内の円安に対して、アメリカではインフレ(物価の高騰)が続いていることから、アメリカ留学はかなり予算に余裕がない限り、多くの人にとっては厳しい選択肢となると言えるでしょう。
1年間の短期留学ではさほど英語力は伸びない
英語留学のゴールが「ビジネスで通用する英語力」とすると、語学学校への1年間の短期留学では、そこまでの英語力まで高めることは現実的には難しいと考えられます。
まして、3カ月~半年のアメリカ留学であれば、人生においては貴重な経験となりますが、”英語学習の刺激を受ける程度”に効果はとどまってしまうかと思います。
将来的に「英語で仕事をする」ことを目標に置くのであれば、語学学校に在籍しながら大学への正規留学を見据えて辛抱強く勉強し続けることが大切です。とはいえ、その後の現地就職もそう容易なものではありませんが……。
治安は欧米先進国のなかでも悪い
英語留学先の候補国であるカナダやオーストラリア・イギリス・ニュージーランドと比べるとアメリカは治安が悪いと言えるでしょう。
2019年のデータですが、アメリカ国内では年間約812万件・犯罪率は2.47%となっており、日本の約4倍の数字です。アメリカは「銃社会であること」「多民族による移民国家であること」「所得格差が広がっていること」などから、治安の悪さは改善していない状況です。
例えば、世界を代表する都市であるニューヨーク州・マンハッタンでも、洗練されたエリアから少し歩いて辿り着く物騒な路地裏に入ると、いつスリや強盗・違法薬物の売人に声をかけられるか分からないような感じです。
海外ではどこでも警戒は怠るべきではありませんが、アメリカ留学中はさまざまなリスクに巻き込まれる可能性があることを頭の片隅に常に置いておく必要があります。
車がないと不便な地域が多い
ニューヨークやロサンゼルス・サンフランシスコなどの大都市に留学するのであれば、公共交通機関が充実しています。しかし、都市部から外れたエリアの語学学校や大学に留学する際には、交通手段に不便さを感じることも多いでしょう。
自宅と語学学校の往復だけであれば、バスや電車の利用で問題ないかもしれませんが、休日に少し郊外に買い物やレジャーで出かけることを想定すると車が必要となるでしょう。
とはいえ、アメリカでは日本以上に『Uber』などの個人タクシーサービスが一般的に普及しています。アメリカ留学中はスマホアプリをダウンロードし、積極的に利用すれば、車がなくても不便さは感じないかもしれません。
現地で就職やアルバイトがしづらい
アメリカ留学を「学生ビザ(F-1)」で就学している場合、アルバイトは大学内やカレッジ内の仕事にのみ制限されています。
一方でワーキングホリデービザで渡航できるカナダでは、半年以上のカレッジプログラムにフルタイムで通う場合、週20時間までキャンパス外のアルバイトが認められています。他の国のワーキングホリデービザでも、ある程度同じようにキャンパス外で働くことができます。
その点を比較すると、アメリカ留学はアルバイトの制限が大きいと言えるのです。
また、現地企業への就職となるとハードルはとても高くなります。「就労ビザ(H-1/H-2)」を取得するには、職務が求める特定分野での学士号またはそれ以上の学位を持っている必要があります。
そのうえ、アメリカの大学で成績優秀者として卒業した人であっても、昨今は移民局(USCIS)の審査が年々厳しくなっており、どれだけ万全な状態でアメリカの大学を卒業(学士取得)しても、スムーズにアメリカで就職できるわけではないことを事前に認識しておきましょう。
物価・医療費がとにかく高い
アメリカのインフレ率を示す消費者物価指数は、2022年11月時点で昨年同月比で7.1%上昇。直近は少し落ち着いてきたとはいうものの、アメリカの物価は高騰していると考えてよいでしょう。
生活のなかでよく購入する食材や日用品で、アメリカの物価を見てみましょう。以下はロサンゼルスのスーパーの食材の値段です。
- レタス1玉 = 約690円
- えのき1パック = 約830円
- カップヌードル1個 = 約380円
- 袋麺のラーメン1袋 = 約550円
- ラーメン1杯(レストラン)= 約2,400円
※ 参考元:リブアメ「【2022年版】アメリカの物価が急上昇。ロサンゼルス現地レポート」
このように日本のスーパーの食材の値段と比べると、どれも高いかと思います。レストランで外食してもそれは同じです。
アメリカに留学するなら、外食が習慣になってしまうとかなり家計を圧迫してしまうので、コツコツ自炊することが必須。そのうえで賢く自炊しなければ、食費は高くなってしまいます。
そしてもう1点の懸念が、高額な医療費です。アメリカの医療費は以下のような理由から高額となっています。
- 救急車が有料であるため
- 予約なしで受診できる医療機関が限られているため
- 医療技術は高いが、自由診療で病院が医療費を決めるため
- 民間の医療保険の掛金自体が高いため
具体的には、例えばニューヨーク州の場合、初診時だけで日本円で約1.6万円~3.2万円、虫垂炎の手術で1日入院した場合は106万円以上もの費用がかかると言われています。
このように医療費が高額であるため、アメリカ留学する方は原則的に日本の海外旅行保険に加入しておくことを強く推奨します。
アメリカ留学のおすすめポイント
ここまで、アメリカ留学をおすすめしない理由を解説してきました。
しかしながら、もちろんアメリカ留学には独自の魅力も存在します。このままでは「アメリカ留学は行かないほうがいい」という結論になってしまいますので、以下にアメリカ留学のメリットをまとめてみました。
- 語学学校が多く、選択肢が豊富
- 多国籍な留学生が集まる環境で学べる
- 多様な文化や価値観に触れられる
- ホストファミリーが多く、滞在形式が多様
- アメリカならではのエンタメ、スポーツ観戦等を楽しめる
このようにアメリカ留学には、ならではの魅力も豊富にあります。
以下ページではさらに詳しくアメリカ留学のメリットやおすすめポイントをまとめておりますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください!
アメリカ留学が向いている人・向いていない人
では、改めてアメリカ留学が向いている人と向いていない人の特徴を整理したいと思います。
アメリカに限らず、英語留学先にはそれぞれ向き・不向きが存在します。自分の英語レベルや予算状況・留学の最終目的などを照らしながら、後悔しない選択を取られてください!
- 英語のレベルが初心者で基本の学習が済んでいない人
- 英語留学の予算に余裕がない人や費用を抑えたいと考えている人
- 将来的に英語を用いる環境で働きたいとまでは思っていない人
- オフキャンパスでアルバイトをしたいと考えている人
- 治安の心配をなるべく減らして留学したいと考えている人
- 英語のレベルが中級者以上である人
- 英語留学の予算に十分な余裕がある人
- 将来、アメリカで働きたいと強い信念を持っている人
- アルバイト先はキャンパス内に制限されていてもよい人
- アメリカの治安が気にならない人
こうして整理すると、アメリカ留学に向いている人はまずは留学予算に余裕があることが前提で、かつ将来アメリカで働くことも見据えて本気で英語を学びたい人と考えられます。
お金の工面は大変かとは思いますが、心の底から本気でチャレンジしたいのであれば、アメリカ留学は適しているかと思います。
広い視野で留学先を検討しよう!
記事では、アメリカ留学がおすすめではない理由とどのような人が向いているのかなどを解説してきました。
本文中でも補足していますが、決してアメリカ留学が全員にとっておすすめではないわけではありません。
最後の章でお伝えしたように、「留学費に余裕があり、本気で英語を学びたい人」にとっては価値のある投資なのではないかと思います。
とはいえ、留学先や留学のコースは落ち着いて広い視野をもって検討しましょう。あなた自身にとって、ベストな留学の選択をとられることを願っています!