2032年のオリンピックの開催地として選ばれた「ブリスベン」は近年留学先として人気が上昇しています。
日本との時差が1時間とあまり変わらないため時差ぼけで体調を崩したり、日本に住む家族や友人との連絡に時差を気にしなくて済むという好条件に加え、1年を通して比較的温暖な気候ということで寒い場所が嫌いな方でも過ごしやすく、留学先としては最適な都市です。
そんな魅力的なブリスベンですが、留学において重要な問題は「治安」ですよね?
記事ではそんなブリスベンの治安事情、巻き込まれやすいトラブル、対処法と予防策などを分かりやすくまとめました。
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このページの目次
ブリスベンの治安について
ブリスベンはシドニーやメルボルンについで「オーストラリアの第三の都市」と呼ばれるほど、比較的大きな都市でありながら、治安が良い都市として知られています。
The Economist Intelligence Unitが作成した2021年度の世界住みやすさランキング「The Global Liveability Index 2021」によるとブリスベンは世界140都市中の第10位にランクインしています。
このランキングは安定性、医療、文化・環境、教育、インフラの5つのカテゴリーにおいて、30以上の定性・定量的要素から「住みやすさ」を評価し、スコアを割り出しています。
このランキングでは日本の大阪が第2位、東京が第5位にランクインしており、ブリスベンより高い順位とはなっています。ただ、世界140都市中の第10位にランクインしているということは、留学先としての治安問題で悩むことはないでしょう。
いくら安全とはいえ、油断は禁物
いくら治安に問題はないとはいっても、全く犯罪やトラブルに巻きこれる可能性がないとは言い切れません。
ブリスベン市内にも危険と言われているエリアはあるので、留学生は細心の注意を怠らないようにしましょう。
※ 参考元:https://www.eiu.com/n/auckland-tops-the-global-liveability-ranking/
ブリスベンの治安が良い理由
治安の改善で鍵を握っている問題、それはホームレス問題です。ブリスベンはそんなホームレス問題を改善するために積極的に様々な取り組みを行っています。
その一つが「Homeless Connect」です。これは、地域の企業、政府機関、コミュニティグループが、ホームレスの人たちに無料でサービスを提供し、サポートするサービスを行っています。
提供される支援は、住居の紹介、医療支援、法律相談、食料、衣類、衛生用品やサービスの利用など多岐にわたり、ホームレス問題の改善を市全体で取り組んでいます。
またブリスベン市は安全都市化計画を打ち出し、住民へ常に新しい情報を提供するために、オープンなコミュニケーション・ラインを設けました。
このコミュニケーション・ラインによって、自警団プログラムなどのさまざまな取り組みを行い、住民やブリスベンを訪れる人たちに安全な環境を提供しています。
※ 参考元:https://www.discoverherveybay.com/is-brisbane-a-safe-city/
どのエリアの治安が悪いのか
留学先としての治安問題を満たしているブリスベンですが、治安が悪いとされるエリアは存在します。今から紹介するエリアを訪れる際は十分に注意してください。
ブリスベンCBD(Central business District)
ブリスベンの中心地であるエリアですが、軽犯罪から凶悪犯罪まで様々な犯罪が頻発しています。
中心部であることから日中夜間問わず多くの人で行き交うエリアだからこそ、スリやひったくりが発生する可能性が高くなるのはもちろん、パブやバー、クラブも多くあるため飲酒絡みのトラブルも多く発生しています。
このエリアを訪れる際は中心部だから安全という考えは捨てましょう。
フォーティーテュード・ヴァリー(FortitudeValley)
このエリアはブリスベンの北東部に位置しており、ナイトクラブやパブ、バーがひしめき合う夜遊びにピッタリの地域です。
だからこそトラブル発生率も他のエリアと比較すると高くなっています。
酔っ払いの喧嘩に巻き込まれてしまったり、ドラッグ関係のトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるので、このエリアを訪れた際は羽目を外しすぎないようにしましょう。
イナラ(Inara)
ブリスベンの南西部位置するアジア人が多く住むエリアですが、このエリアではスリや窃盗、置引きやひったくりなどの犯罪が多発しています。
他のエリアとは雰囲気も少し異なっているため、ここを訪れる際は自分に所持品から目を離さず、細心の注意を払って行動しましょう。
ブリスベンの犯罪率
「ブリスベン」と英語留学で定番の4都市「バンクーバー」「ニューヨーク」「ロサンゼルス」「ロンドン」、そして日本の首都「東京」で犯罪率と安全率を比較してみました。
各エリアの犯罪率と安全率のデータは、世界中の生活情報を記録している世界最大のデータベース「NUMBEO」より引用しています。
都市 | 犯罪率 | 安全率 |
---|---|---|
ブリスベン | 35.05% | 64.95% |
東京 | 23.5% | 76.5% |
バンクーバー | 37.5% | 62.5% |
ニューヨーク | 47.7% | 52.4% |
ロサンゼルス | 50.5% | 49.7% |
ロンドン | 53.5% | 46.6% |
表を見ると「ブリスベン」は東京に比べると治安の犯罪率・安全率は劣るものの、少なくとも他の地域によりは安全に生活できると言えます。
数字で見ると、定番の英語留学先としてブリスベンは上位に入る治安の良さではないでしょうか。
※ 参考元:NUMBEO「About Crime Indices At This Website」
トラブル事例
ここでは、治安の良いブリスベンでも留学生や観光客が巻き込まれる可能性のあるトラブルについて、いくつかご紹介します。
多くのブリスベン留学経験者は事件やトラブルに巻き込まれず、無事に日本へ帰国していますが、実際に被害に遭われた方もいるので自分にも起こる可能性があることを前提に読み進めていただければと思います。
傷害事件
日本人の女性が一人で道を歩いていたところ面識のない男性に突然ナイフで切り付けられるといった事件が実際に発生しています。
実際に日本人が被害にあっているという点で日本人も犯罪のターゲットに入っているということを決して忘れてはいけません。
その他にも飲酒絡みのトラブルが傷害事件に発展することもあります。また、パブやナイトクラブでのお客同士の喧嘩に巻き込まれるといった事例も発生しているので気をつけましょう。
スリ・置引き
スリや置引きは留学生や観光客が被害に遭う可能性の高い犯罪の上位に常にランクインしています。
近年は非常に巧妙な手口になっているため、盗られていることに全く気づかず、無くなっていることに気づいた頃にはもう遅いといったことがほとんどです。
その他にも公園で少し目を離したすきに盗られている、ポケットに入れていた金品が盗られている、バッグの底に穴を開けられてそこから貴重品が盗まれる、このような事例が報告されています。
その他
その他にも、女性の方は性犯罪にも注意しないといけません。日本人はオーストラリア人に比べて体型が華奢な方が多く、標的にされてしまい被害に遭ってしまうというケースが実際に報告されています。
治安の良いブリスベンでも日常的に様々な犯罪が報告されています。
ぜひ、外務省の海外安全ホームページにある「オーストラリア安全対策基礎データ」に目を通すようにしましょう。犯罪の発生状況や被害例が報告されています。
※ 参考元:在ブリスベン日本国総領事館「安全の手引き クイーンズランド州」
※ 参考元:外務省 海外安全ホームページ「オーストラリア 安全対策基礎データ」
トラブル時の対処法
まず何かしらのトラブルや犯罪に遭遇した際は、現地の警察へ行き紛失届や被害状況の説明などを行いましょう。
また、それが難しい際は、自分の通う語学学校に連絡し被害状況を伝え、学校の指示に従いましょう。
またどうしても日本語で指示を仰ぎたい場合は日本大使館に連絡しましょう。日本語で適切な指示を受けることができるので、その指示に従い、正しい判断・正しい対処ができれば大丈夫です。
より詳しい対応は下記をご覧ください。
貴重品の紛失・盗難にあった際の基本
【クレジットカードやキャッシュカードなどのカード系の盗難・紛失】
犯人によるカードの悪用を防ぐことが、まず第一に重要です。
そのためには、カード会社に連絡をし、カードを止めてもらいましょう。カードの利用を停止することで、犯人はそのカードを使うことができず、悪用されるリスクを回避することができます。
【携帯電話の盗難・紛失】
これも上記と同様で犯罪に巻き込まれるリスクを回避することが重要です。
そのために一番最初にすることは、パソコンなどを用いて自分の携帯端末をリモートでロックしましょう。やり方が分からなければ、「自分の携帯の機種 リモートロック」で検索してください。
その次にすることは携帯会社に連絡し、回線を止めてもらいましょう。紛失・盗難された携帯電話が実際に犯罪で用いられたということが実際に起きています。そうならないために必ず行いましょう。
何かあった際の緊急連絡先
事件に巻き込まれた場合はブリスベンの警察署に連絡してください。
ブリスベン警察の連絡先は「000」です。その他、救急車の要請や火災などの緊急連絡先も同じです。
警察・病院・消防全ての緊急時の連絡先は「000」で統一されています。
その他、 在ブリスベン日本国総領事館の電話番号は「市外局番07-3221-5188」です。事件に巻き込まれてしまったがどうしたらいいのか分からない人は、日本国領事館に電話を掛け指示を仰いでください。
その他にもオーストラリア政府が提供している「TIS」という無料通訳サービスがあります。警察や病院、消防で英語の状況説明できない方は「131450」に電話を掛けてください。日本語の話せるオペレーターの方が通訳してくれます。
緊急連絡先は外務省の海外安全ホームページにある「オーストラリア安全対策基礎データ」で確認することができます。
【危機管理】予防のためにどうすればいいか
犯罪やトラブルに巻き込まれないための方法を下記で紹介します。重要なことは未然に防ぐということです。
決して読んで終わりではなく、実践しましょう。
周囲の意見を取り入れる
渡航してみると、意外に現地の人すら避けているというエリアがあるものです。それはインターネットに掲載されているものから、現地の人たちの中で言われているものなど様々です。
そのようなエリアには決して近付かないようにしましょう。周りはそう言っているけど、自分は大丈夫という安易な考えでそのエリアに近づきトラブルに巻き込まれるといったことがないようにしましょう。
持ち物から離れない、目を離さない
非常に重要なことです。
「バッグに入れているから安全」、「ポケットに入れているから盗られた時すぐにわかる」など自分の中では大丈夫と思っていても、そうとは限りません。
刃物を使ってバッグやポケットに穴を開け貴重品を盗んだり、とても手口が巧妙になってきており、大丈夫だと思っていたとしてもプロのスリ師たちは難なく盗んでいきます。
大事なものを紛失・盗難されないためにも自分の持ち物には常に細心の注意を持ちましょう。無くなってからではもう遅いです。
目立つものは身に付けない
目立った格好、アクセサリーは犯罪のターゲットになる可能性が高くなります。
海外でおしゃれをしたいという気持ちは分かるのですが、トラブルや犯罪を未然に防ぐためにもその地域に馴染んだ格好を心がけましょう。
夜間の一人歩きはしない
女性の方が突然夜道で襲われ性犯罪の被害者になるといった事例が報告されています。
また、女性だけでなく、男性も一緒です。突然ナイフで切り付けられるといった傷害事件が実際に発生しているので、トラブルに巻き込まれないためにも夜間の一人歩きは避けましょう。
特にお酒を飲んだ後の帰り道は注意しましょう。夜遅くなってしまい交通機関の運行が終わってしまった際は、タクシーや配車サービスを使うなど、夜道の一人歩きは避けましょう。
常に防犯意識を持ってブリスベン留学で英語力を磨こう
ブリスベンは数字で見る安全な都市のように思われがちですが、実際に様々な場所で軽犯罪や凶悪犯罪が発生しています。
ほんの少しの防犯意識の低下・気の緩みがトラブルに巻き込まれる原因となるので、トラブルに巻き込まれないためにも細心の注意を払って生活しましょう。
そして重要なことは犯罪やトラブルの遭遇を未然に防ぐことです。今回の記事は自分の行動について見つめ直すとても良い機会になったのではないでしょうか。