カナダで使われている英語について

監修者

監修者末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002|カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。現在までサポートしてきた留学生数は1万人以上。カナダ留学情報を発信するX(Twitter)アカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万以上。

英語とひとくくりに言っても、地域によって表現や単語等が違うことはご存じでしょうか?
アメリカ英語とイギリス英語は発音や単語に違いがあることはよく知られているかもしれませんが、オーストラリア英語、カナダ英語など、それぞれ特徴のある英語が使われています。

そこでここではカナダ英語と他国の英語について説明します。

カナダ英語の表現

カナダ英語は、その独特な表現や言い回しで知られています。カナダ全土で話される英語は、アメリカ英語やイギリス英語とは異なる特色を持っており、これには歴史的背景や文化的な要因が大きく影響しています。例えば、カナダ英語では「chesterfield」という言葉がソファの意味で使われることがありますが、これは他の英語圏ではあまり一般的ではありません。

また、「toque(トゥーク)」という言葉は、カナダ英語でニット帽のことを指します。これもカナダの冬の寒さを反映した独自の語彙です。さらに、食べ物に関連した表現もカナダ英語の特徴の一つです。「poutine(プーティン)」は、フライドポテトにチーズカードとグレイビーソースをかけたカナダ発祥の料理で、この言葉もカナダ英語特有のものです。

言葉の発音においても、カナダ英語は特徴的です。特に「about」の発音が「アバウト」ではなく、「アブート」と聞こえることがあり、これはカナダ英語のアクセントの一例です。このように、カナダ英語は他の英語とは一線を画す表現が豊富にあり、カナダの文化や生活が反映された言語と言えるでしょう。

カナダ英語の特徴

カナダ英語は、その独特の発音や語彙によって、他の英語圏と区別されます。カナダ英語の最も顕著な特徴の一つは、アメリカ英語とイギリス英語の要素を併せ持つことです。例えば、カナダ英語では「colour」や「favour」といった単語がイギリス英語の綴りを用いる一方で、アメリカ英語の影響も見られ、「organization」や「realize」といった単語はアメリカ英語の綴りを採用しています。

また、発音においても独自の特徴があります。全体としてカナダ英語の発音は、アメリカ英語とイギリス英語の中間に位置すると言えるでしょう。

語彙に関しても、カナダ独自の単語が存在します。例えば、「chesterfield」はソファのことを指すカナダ特有の言葉です。また、「toque」はニット帽のことを指し、カナダの冬の必需品とされています。これらの単語は、カナダ英語が地域の文化や生活様式を反映していることを示しています。

カナダ英語のこれらの特徴は、言語がどのように地域の文化や歴史と密接に結びついているかを示す例と言えるでしょう。カナダの多様な文化が英語にも反映され、独自の発展を遂げているのです。

カナダ英語とほかの国の英語の違い

カナダ英語と他国の英語との間には、いくつかの顕著な違いがあります。まず、アメリカ英語と比較すると、カナダ英語はイギリス英語の影響を強く受けています。これはカナダがイギリスの植民地だった歴史に由来します。例えば、カナダ英語では「centre」や「favour」といった単語がイギリス英語の綴りを踏襲していますが、アメリカ英語では「center」や「favor」と綴られます。

また、発音においても違いが見られます。カナダ英語では、特に「about」などの単語の発音がアメリカ英語とは異なり、「アバウト」というよりは「アブート」と聞こえることがあります。これは「Canadian Raising」と呼ばれる現象で、特定の条件下で母音の発音が変化することによります。

さらに、カナダ英語はフランス語の影響も受けているため、フランス語由来の単語が日常会話にしばしば登場します。例えば、「poutine」(プーティン、カナダの料理)や「dépanneur」(デパヌール、コンビニエンスストア)などがその例です。

これらの違いは、カナダの多文化的な背景と深い歴史的結びつきが反映されているものです。カナダ英語を学ぶ際には、これらの地域特有の特徴を理解することが重要です。

カナダの英語以外の公用語について

カナダは英語とフランス語の二つの公用語を持つ国です。特にケベック州ではフランス語が広く使われており、州の公用語としても定められています。この二言語政策はカナダの多文化主義を象徴しており、全国的に英語とフランス語のバイリンガルが推奨されています。

また、カナダの公式な文書や政府のウェブサイトは、これら二つの言語で提供されることが法律で保証されています。

さらに、カナダでは先住民族の言語も重要視されており、特にヌナブト準州ではイヌクティトゥットが公用語の一つとして認められています。これらの言語の多様性は、カナダの文化的な豊かさと包括性を示しています。

カナダで使われている英語について まとめ

カナダで使われている英語は、アメリカ英語やイギリス英語とは異なる独自の特徴を持っています。

カナダ英語は、発音だけでなく、スペリングや語彙においてもカナダ特有の形をしており、これがカナダの多様な文化と密接に関連しています。また、フランス語の影響も見受けられ、特にケベック州では英語とフランス語が混在して使われていることがあります。このように、カナダ英語はその地域性と歴史的背景によって形成されており、カナダのアイデンティティの一部とも言えるでしょう。

カナダで英語を学ぶ際には、これらの地域特有の表現や単語にも注意を払うことが重要です。