カナダの気候・天候について

監修者

監修者末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002|カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。現在までサポートしてきた留学生数は1万人以上。カナダ留学情報を発信するX(Twitter)アカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万以上。

カナダといえば「寒い!」というイメージを持つ人が多いと思いますが、実は一年中どこでも寒いわけではありません。
カナダの国土は非常に広大で、海・川・山脈・草原・湖・北極地帯などの多様な地理の影響を受け、地域によって天候がまったく異なります。
日本でも、北海道と沖縄では全然気候が違いますが、カナダではその差がさらに顕著です。
特にアメリカとの国境付近は比較的人が住みやすい地域が多く、その中でもバンクーバーのある西海岸は非常に過ごしやすい天候です。

この記事では、カナダの天候や気候について地域別にご紹介します。

太平洋沿岸エリアの気候

カナダの太平洋沿岸エリア、特にバンクーバーやビクトリアが位置するブリティッシュコロンビア州は、カナダの中でも特に温暖な気候で知られています。この地域は、太平洋の影響を受けており、冬は比較的穏やかで、夏は涼しい日が多いのが特徴です。冬季には、他のカナダの多くの地域が厳しい寒さに見舞われる中、ここでは雪が少なく、温度が氷点下に下がることはまれです。

バンクーバーでは、冬の平均気温が0度から5度程度となり、夏は20度から25度と快適な温度を保っています。また、この地域はカナダの中でも雨が多いことで知られており、特に秋から冬にかけての雨季には、しばしば雨が降り続けます。しかし、そのおかげで豊かな自然が育まれ、四季を通じて緑豊かな景色を楽しむことができます。

観光客や移住を考える人々にとって、この地域の穏やかな気候は大きな魅力の一つです。冬でもアウトドア活動を楽しむことができ、夏は海や山でのレクリエーションに最適です。太平洋沿岸エリアは、カナダの中でも特に住みやすい気候と言えるでしょう。

中南部エリアの気候

中南部エリア、特にオンタリオ州やケベック州に位置する都市部は、カナダの中でも人口が集中している地域です。ここでは四季がはっきりしており、夏は暑く、冬は寒いのが特徴です。トロントやモントリオールなどの大都市では、夏季には気温が30度を超える日も珍しくなく、湿度も高いため、暑さをより強く感じることがあります。

冬季には、この地域はカナダの他の地域同様、厳しい寒さに見舞われます。トロントでは冬の平均気温がマイナス5度からマイナス10度程度になりますが、モントリオールではさらに低く、マイナス10度からマイナス15度程度となることも珍しくありません。また、大量の雪が降ることもこの地域の冬の特徴であり、スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツを楽しむことができます。

春と秋は比較的短く、気温の変化が激しいため、一日の中で服装を調節する必要があります。春には急速に気温が上昇し、秋には急激に冷え込むことが多いです。このように、中南部エリアでは年間を通じて様々な気候を経験することができ、それぞれの季節に合わせたアクティビティが楽しめるのも魅力の一つです。

内陸部エリアの気候

内陸部エリアの気候は、カナダの中でも特に寒暖の差が激しい地域として知られています。この地域には、サスカチュワン州やアルバータ州などのプレーリーが広がり、開けた地形が特徴です。夏は乾燥しており、日中の気温が30度を超えることも珍しくありませんが、夜になると冷え込むため、昼夜の温度差が大きいです。

冬は非常に厳しい寒さとなり、特にアルバータ州の一部地域では、マイナス30度以下になることも珍しくありません。また、内陸部は湿度が低いため、同じ気温でも湿度の高い地域より寒さを強く感じることがあります。このような極端な気候のため、冬には暖房設備が整った室内で過ごすことが多くなります。

春と秋は短期間であり、気温の変動が大きいため、一年を通しても気候に適応することが求められます。春には一気に雪解けが進み、秋には急速に気温が下がることが特徴です。

大西洋沿岸エリアの気候

大西洋沿岸エリアの気候は、カナダの中でも特に海の影響を受けやすい地域です。ノバスコシア州やニューブランズウィック州、プリンスエドワードアイランド州、そしてニューファンドランド・ラブラドール州がこのエリアに含まれます。海洋性気候の特徴として、夏は涼しく冬は比較的穏やかで、年間を通じて湿度が高いことが挙げられます。

夏の気温は20度前後と過ごしやすく、海風が心地よい季節です。しかし、霧が発生しやすいため、視界が悪くなることもしばしばあります。一方、冬は他の地域に比べて穏やかなものの、大西洋からの湿った空気が雪や凍雨をもたらすことがあり、特に沿岸部では冬季の嵐が強く、交通機関に影響を与えることもあります。

春は遅く、しばしば「五月雪」と呼ばれる遅い時期の降雪が見られることがあります。秋は色鮮やかな紅葉が楽しめる一方で、ハリケーンシーズンと重なるため、時に強い風雨に見舞われることもあります。

このように、大西洋沿岸エリアは四季折々の変化に富んだ気候が特徴であり、自然の美しさとともに、時には厳しい天候にも対応しなければならない地域と言えるでしょう。

北部エリアの気候

北部エリアの気候は、カナダの中でも最も過酷な環境と言えるでしょう。ユーコン準州、ノースウェスト準州、ヌナブト準州を含むこの地域は、冬が長く厳しいことで知られています。冬季は極端に日照時間が短く、一部地域では24時間日が昇らない「極夜」を経験することもあります。気温はしばしば氷点下30度以下にまで下がり、外出時には凍傷に注意が必要です。

夏は短いながらも、日照時間が非常に長い「白夜」を楽しむことができます。しかし、気温はそれほど高くなく、平均しても10度前後と涼しい日が多いです。また、夏には多くの湿地や湖が解氷し、蚊やブラックフライなどの虫が大量発生することも北部エリアの特徴の一つです。

植生はツンドラやボレアル林が主で、厳しい気候条件のために高木はほとんど育たず、低木や草本、苔類が主な植物となっています。この地域はまた、カリブーなどの野生動物の生息地としても知られており、自然の厳しさと美しさが共存する独特の環境を持っています。

観光で訪れる場合は、特に冬季は適切な防寒対策が必須です。夏季でも、虫よけ対策や変わりやすい天候に備えた装備が求められます。北部エリアは、カナダの他の地域とは一線を画す独自の気候を有しており、訪れる者には忘れがたい体験を提供してくれることでしょう。

カナダ各地の平均気温

カナダ各地の平均気温について詳しく見ていきましょう。カナダは世界で2番目に大きな国土を持つ国であり、その広大な国土によって気温は地域によって大きく異なります。

西海岸のバンクーバーなどの太平洋沿岸エリアでは、冬でも氷点下になることは少なく、夏は20度前後と過ごしやすい気候です。一方、中南部エリアのトロントやモントリオールでは、夏は30度を超える暑い日が続くこともありますが、冬は氷点下20度近くまで下がることも珍しくありません。

内陸部エリアのカルガリーやエドモントンでは、夏は乾燥して暑く、冬は非常に寒くなることが特徴です。大西洋沿岸エリアでは、ハリファックスやセントジョンズなどがあり、冬は比較的穏やかで、夏は涼しい日が多いです。

北部エリアは、一年を通して寒冷な気候が続き、夏でも平均気温が10度前後と低いです。特に冬季は極めて厳しい寒さに見舞われます。

これらの平均気温は、カナダを旅行する際や移住を考える際の参考になるでしょう。ただし、カナダの天候は変わりやすいため、訪れる時期や地域に応じて、最新の気象情報を確認することが重要です。また、地球温暖化の影響により、これまでの気温データが将来的に変化する可能性もありますので、その点も留意しておく必要があります。

カナダでおすすめの服装は?

カナダでおすすめの服装は、訪れる地域や季節によって大きく異なります。広大な国土を持つカナダでは、地域によって気候が大きく変わるため、旅行や滞在に適した服装を選ぶことが重要です。

太平洋沿岸エリアのバンクーバーなどでは、冬は比較的温暖であるため、中間的な防寒着と防水性のあるアウターがおすすめです。夏は軽いジャケットやカーディガンがあれば十分でしょう。

中南部エリアのトロントやモントリオールでは、夏は暑くなることが多いので、Tシャツやショートパンツ、サンダルなど涼しい服装が適しています。冬は厳しい寒さになるため、ダウンジャケットやウールのコート、手袋、帽子、スカーフなどの防寒具が必須です。

内陸部エリアでは、夏は日差しが強いため、日焼けを防ぐための帽子やサングラスが役立ちます。冬は非常に寒くなるため、暖かいダウンジャケットや防寒ブーツが必要です。

大西洋沿岸エリアでは、冬は比較的穏やかですが、風が強いため、風を通さないアウターや防風性の高いアクセサリーがおすすめです。夏は涼しい日が多いので、長袖シャツや薄手のセーターを準備しておくと良いでしょう。

北部エリアに訪れる場合は、一年中寒冷な気候に対応できるよう、保温性の高い服装を心がける必要があります。特に冬季は極寒のため、専用の防寒着や保温性の高いインナーが欠かせません。

カナダの天候は変わりやすいため、レイヤリングが効果的です。複数の薄手の服を重ね着することで、気温の変化に柔軟に対応できます。また、突然の雨に備えて、折りたたみ傘やレインコートを持ち歩くこともおすすめします。

カナダの天候まとめ

カナダの天候まとめとして、この国の気候は非常に多様であることが理解できました。

これらの地域ごとの特徴を踏まえ、カナダを訪れる際には、目的地の気候に合わせた服装を選ぶことが重要です。また、天候が変わりやすいため、レイヤリングを活用し、折りたたみ傘やレインコートなどの雨具も準備しておくと安心です。

カナダの広大な国土と多様な気候は、その地域の文化や生活にも大きな影響を与えています。旅行者にとっては、これらの違いを理解し、体験することがカナダの魅力の一つと言えるでしょう。最新の気象情報をチェックし、快適な滞在を楽しんでください。