バンクーバーとトロントの最低賃金の推移は~カナダの最低賃金について

監修者

監修者末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002|カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。現在までサポートしてきた留学生数は1万人以上。カナダ留学情報を発信するX(Twitter)アカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万以上。

留学やワーホリでカナダに滞在する際に、アルバイトでどれくらい生活費が稼げるのか、とても気になるところですよね。

そこで今回は、各州ごとの最低賃金とともに、バンクーバートロントの最低賃金の推移や最低賃金を元にアルバイトをした時の給料例についてご紹介したいと思います。

カナダ各州の最低賃金一覧(2024年3月現在)

カナダで働く際に最も基本的な情報の一つが最低賃金です。最低賃金は州によって異なり、また時には市ごとにも違いが見られます。2024年3月現在のカナダ各州の最低賃金を一覧にしてみましょう。

出典:Retail Council of Canada

最低賃金は、労働者が受け取ることができる時給の最低限の金額を指し、これは各州の政府によって定められています。経済の状況や物価の変動、生活費の高騰などを考慮して、定期的に最低賃金の見直しが行われます。

アルバイトを探す際や、生活費の計画を立てる際に、ぜひ参考にしてください。また、最低賃金は変動する可能性があるため、実際に働く前には最新の情報を確認することをお勧めします。

バンクーバーの最低賃金の推移

日付最低賃金
2000年11月$7.60
2001年11月$8.00
2011年5月$8.75
2011年11月$9.50
2012年5月$10.25
2015年9月$10.45
2016年9月$10.85
2017年9月$11.35
2018年6月$12.65
2019年6月$13.85
2020年6月$14.60
2021年6月$15.20
2022年6月$15.65
2023年6月$16.75

バンクーバーはブリティッシュコロンビア州に位置しており、州政府によって最低賃金が定められています。

過去数年間を振り返ると、バンクーバーの最低賃金は着実に上昇してきました。経済の成長と物価の上昇に伴い、労働者の生活を支えるために最低賃金の増額が行われているのです。たとえば、2020年には時給$14.60であった最低賃金は、2021年には$15.20へと上がりました。その後も、年々微増しており、2024年現在ではさらに高くなっています。

このような推移は、バンクーバーでのアルバイトを検討している留学生やワーキングホリデー参加者にとっては朗報です。しかし、同時に生活費も上昇しているため、最低賃金の増加が実際の生活水準の向上に直結しているわけではないことに注意が必要です。

最低賃金の変動には目を光らせつつ、バンクーバーでのアルバイトを通じて得られる収入を計算し、効率的な生活設計を心がけることが求められます。

トロントの最低賃金の推移

日付最低賃金
2004年2月$7.15
2005年2月$7.45
2006年2月$7.75
2007年2月$8.00
2008年3月$8.75
2009年3月$9.50
2010年3月$10.25
2014年6月$11.00
2015年10月$11.20
2016年10月$11.40
2017年10月$11.60
2018年1月$14.00
2020年10月$14.25
2022年1月$15.00
2022年10月$15.50
2023年10月$16.55

トロントはオンタリオ州に属しており、最低賃金は州政府によって設定されています。

近年のトロントにおける最低賃金の変遷を見てみると、経済の発展と共に労働市場の需要が高まり、それに応じて最低賃金も上昇傾向にあります。例えば、2020年の時給は$14.00でしたが、2021年には$14.25へとわずかながら増加し、その後も徐々に上昇を続けています。2024年現在では、さらに高い水準に達していることが見込まれます。

トロントでのアルバイトを考えている留学生やワーキングホリデーの方々にとって、最低賃金の上昇は収入面でのプラスとなりますが、一方でトロントの物価は他の地域と比較しても高い傾向にあるため、実際の生活水準への影響は複雑です。

バンクーバーで飲食店勤務で週5回、1日8時間で稼げる金額例

バンクーバーで飲食店勤務をする場合、週5回、1日8時間働いたとして、どの程度の収入が得られるのでしょうか。

2024年3月現在のバンクーバーの最低賃金は、例えば$15.20であると仮定します。これを基に計算すると、1日の労働で$15.20 × 8時間 = $121.60が最低賃金として保証されます。週に5日働いた場合は、$121.60 × 5日 = $608.00となり、1ヶ月(4週間)で$608.00 × 4週 = $2,432.00の収入が見込めることになります。

しかし、これはあくまで最低賃金での計算であり、実際には店舗によって時給が異なる場合が多いです。また、チップが含まれる飲食店では、収入はさらに増える可能性があります。一方で、税金や社会保険料などの控除があるため、手取り額はこれより少なくなることを念頭に置く必要があります。

トロントで飲食店勤務で週5回、1日8時間のアルバイトで稼げる金額例

トロントで飲食店勤務で週5回、1日8時間のアルバイトをすると、どれくらいの収入が見込めるのでしょうか。

2024年3月現在のトロントの最低賃金を$14.25と仮定した場合、1日の労働で$14.25 × 8時間 = $114.00が最低賃金として保証されます。週5日勤務すると、$114.00 × 5日 = $570.00、1ヶ月(4週間)で$570.00 × 4週 = $2,280.00の収入が得られる計算になります。

ただし、これは最低限保証される金額であり、実際には店舗や勤務条件によって時給がこれより高い場合もあります。特にトロントはチップカルチャーが根強く、飲食店でのアルバイトではチップによる収入増が期待できます。しかし、税金や社会保険料の控除も考慮する必要があるため、手取り額は計算上の金額よりも低くなることを覚えておくべきです。

トロントでのアルバイト収入を生活費に充てる場合、このような計算を基に予算を立て、効率的な生活設計を心がけることが重要です。