カナダ観光ビザについて

監修者

監修者末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002|カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。現在までサポートしてきた留学生数は1万人以上。カナダ留学情報を発信するX(Twitter)アカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万以上。

カナダの観光ビザは、一定期間カナダ国内で観光や家族訪問、ビジネスミーティングなどの短期滞在を目的とした際に必要となる公的な許可証です。この記事では、そんなカナダの観光ビザについて基本的な情報をお伝えします。

カナダの観光ビザとは

カナダの観光ビザは、一定期間カナダ国内で観光や家族訪問、ビジネスミーティングなどの短期滞在を目的とした際に必要となる公的な許可証です。しかし、日本国籍を持つ旅行者には特別な免除措置があり、短期間の滞在であれば観光ビザを取得する必要がないのです。

ただし、滞在目的や期間によっては観光ビザの申請が必要になるケースもあります。特に未成年者が単独または同伴者なしでカナダを訪れる場合、追加の書類が求められることがあるため、事前の準備が重要です。このセクションでは、そんなカナダの観光ビザについて基本的な情報をお伝えします。

そもそも観光ビザってなに?

海外旅行を計画する際、目的地の国によっては観光ビザが必要になることがあります。観光ビザとは、その国が定める一定期間、観光目的で滞在するための許可証のことを指します。ビザには様々な種類があり、観光だけでなく、ビジネスや留学、就労など目的に応じたものを申請する必要があります。

日本人はカナダの観光ビザが免除

日本人がカナダを観光目的で訪れる際、多くの場合、観光ビザを取得する必要はありません。これは日本とカナダ間のビザ免除プログラムによるもので、日本のパスポート保持者はビザなしでカナダを短期間訪れることができるのです。

ただし、滞在期間には制限があり、通常は入国日から6か月以内の滞在が認められています。また、ビザ免除の特典を享受するためには、電子渡航認証(eTA)を事前に取得しておく必要があります。eTAはオンラインで申請でき、承認されれば5年間有効、またはパスポートの有効期限まで、複数回の入国が可能になります。しかし、就労目的や学生としての長期滞在など、観光以外の目的でカナダを訪れる場合は、適切なビザを別途申請する必要がある点に注意が必要です。

未成年者は追加の書類が必要

カナダを訪れる際、未成年者は成人とは異なる手続きが必要です。特に、未成年者が親権者の同伴なしで旅行する場合、カナダ政府は追加の書類を要求します。これには、親権者の同意書が含まれ、その同意書には親権者の署名と日付、さらには公証人による認証が求められることがあります。

また、未成年者の出生証明書や親権に関する法的文書など、身元を証明するための書類の提出も必要になることがあります。これらの書類は、カナダへの入国時に審査官に提示する必要があるため、事前に準備しておくことが大切です。親権者が同伴する場合でも、未成年者の身分を証明する書類の携帯を忘れないようにしましょう。

観光ビザでできること/できないこと

カナダを訪れる際、観光ビザを持っているとできることとできないことがあります。

学校に通える

カナダの観光ビザを持っていると、観光や友人訪問だけでなく、一定の条件の下で学校に通うことも可能です。例えば、6か月以内の短期コースや語学学校に参加する場合、観光ビザがあれば十分です。これは、カナダ政府が短期の学習機会を提供することで、国際的な交流を促進しようとしているためです。

しかし、フルタイムでの学位取得を目指すような長期のプログラムには、学生ビザが必要になります。観光ビザでの学校通いは、短期間のスキルアップや体験学習には最適ですが、その範囲と条件をしっかり理解しておくことが重要です。次のセクションでは、観光ビザでの就労についてのルールをご紹介します。

就労はできない

カナダの観光ビザを持っている間は、観光や短期間の学習は許可されていますが、就労することは禁止されています。これは、観光ビザの主な目的があくまで観光や短期の訪問であり、労働市場への影響を防ぐための措置です。もしカナダで働く意向がある場合は、適切な就労ビザを申請し、許可を得る必要があります。観光ビザの条件を違反すると、将来的にカナダへの入国が困難になる可能性があるため、注意が必要です。

カナダの観光ビザ申請に必要な費用

カナダの観光ビザ申請に必要な費用は、申請者の状況や申請するビザの種類によって異なります。一般的に、電子旅行許可(eTA)の申請には7カナダドルが必要ですが、これはビザ免除国の人々がカナダに飛行機で入国する際に必要となるものです。日本人旅行者もこのeTAの対象となります。

一方、観光ビザを直接申請する場合、申請料として100カナダドルが必要です。また、ビザの申請プロセスには写真や指紋の提出が求められることがあり、これには追加の費用がかかることがあります。さらに、ビザの申請には書類の郵送費用や翻訳費用など、その他の経費が発生する可能性があるため、申請前にはこれらの費用も考慮に入れておくことが重要です。

カナダの観光ビザの有効期間

カナダの観光ビザの有効期間は、通常、入国時に決定されます。ビザが発行された日から最大6ヶ月間の滞在が許可されることが一般的ですが、これは入国審査官の判断によって異なる場合があります。滞在期間はパスポートに記載されるため、入国後はその日付を確認し、期限を守ることが重要です。万が一、滞在期間を超過してしまうと、将来的にカナダへの入国が困難になる可能性があるため、注意が必要です。また、特別な事情がある場合は、滞在期間の延長を申請することも可能ですが、その際は追加の手続きと費用が発生します。

カナダの観光ビザは延長できる

カナダを訪れる多くの旅行者は、滞在期間を延長したいと考えることがあります。幸いなことに、カナダの観光ビザは、一定の条件の下で延長が可能です。ビザの有効期限が切れる前に申請を行うことが重要で、通常は期限の30日前には手続きを開始することが推奨されます。

延長申請はオンラインまたは郵送で行うことができ、必要な書類には現在の観光ビザのコピー、延長理由を説明する書面、滞在費用を賄える証明などが含まれます。ただし、すべての申請が自動的に承認されるわけではなく、カナダ移民局の審査を経る必要があります。そのため、計画的に申請を進め、滞在延長の許可を得るための準備をしっかりと行うことが肝心です。

カナダの観光ビザの「有効な」使い方

カナダの観光ビザは、短期間の滞在に適していますが、その使い方を知っていれば、さらに便利に活用できます。

6か月未満の短期留学のとき

カナダでの短期留学を計画している方にとって、観光ビザの利用は大変便利です。なぜなら、カナダの観光ビザは6か月までの滞在が可能であり、短期間の語学学校や専門コースへの参加に最適だからです。このビザを利用することで、滞在期間中に学びながらカナダの文化や生活を体験することができます。ただし、観光ビザのもとでの学習はあくまで非正規のコースに限られるため、正規の学位を目指す場合は学生ビザの取得が必要になります。また、短期留学をする際には、滞在期間や学校の選定に注意し、ビザの条件に適合するように計画を立てましょう。

カナダ滞在を少しだけ延長したいとき

カナダでの素晴らしい体験に少しでも長く留まりたいと思うのは自然なことです。観光ビザを持っている場合、滞在期間の延長を申請することが可能です。ただし、滞在期限の満了日よりも前に、適切な手続きを行う必要があります。この延長申請は、オンラインまたは郵送で行うことができ、申請には追加の費用が発生します。滞在延長が承認されれば、カナダでの滞在を合法的に継続することができますが、承認されるまでの間は、現在のビザの条件に従う必要があります。計画的に申請を進め、カナダでの時間を最大限に活用しましょう。

ワーホリで入国する前の「追加」として

ワーキングホリデー(ワーホリ)ビザでカナダに入国する予定の方にとって、観光ビザを利用することは大きなメリットがあります。ワーホリビザの開始日を遅らせたい場合や、カナダ到着後すぐに就労せずに観光を楽しみたい場合に、観光ビザが役立ちます。観光ビザを利用してカナダに入国し、その後ワーホリビザに切り替えることで、滞在期間を最大限に活用することが可能です。ただし、この方法を取る際には、ビザの切り替えに関する規則を事前にしっかりと確認し、計画を立てることが重要です。観光ビザでの入国後、ワーホリビザへの移行はスムーズに行われることが多いですが、移行のプロセスには注意が必要です。

観光ビザから学生ビザの切り替えはオススメしない

カナダでの学生生活を始める前に観光ビザで入国し、その後で学生ビザに切り替える計画を立てている方もいるかもしれません。しかし、この方法は推奨されません。観光ビザから学生ビザへの切り替えは、予想外の遅延や手続きの複雑さにより、計画に狂いが生じるリスクがあります。

また、学生ビザの申請が拒否される可能性もゼロではなく、その場合、学業を始めることができなくなる恐れがあります。カナダでの学業をスムーズに始めるためには、日本から出発する前に適切なビザを取得しておくことが最善です。観光ビザでの一時的な滞在後に学生ビザへの切り替えを考えている場合は、リスクを十分に理解し、慎重に計画を進める必要があります。

カナダ観光ビザについて まとめ

カナダ観光ビザについてのまとめとして、日本人旅行者はビザ免除の特典を享受できること、未成年者の場合は追加書類が必要になること、観光ビザがあれば短期間の学校への通学は可能だが就労は許可されていないことなど、重要なポイントを押さえました。また、観光ビザの申請費用や有効期間についても触れ、延長可能性や有効な使い方についても解説しました。観光ビザから学生ビザへの切り替えは推奨されない点も留意してください。この情報を基に、カナダでの滞在を計画し、充実した旅行にしてください。