イギリスへの社会人留学にかかる費用は?メリットや語学学校・大学・大学院の特徴。奨学金の有無について

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イギリス留学に興味はあるものの、「留学先でどんなことができるのか」「どれだけ費用がかかるのか」「帰国後の仕事や生活はどうなるのか」とお悩みの社会人の方もいるのではないでしょうか。

記事では、社会人留学の語学学校・大学大学院の特徴や留学費用、社会人留学を成功させるポイントなどをご紹介。イギリス留学を考え始めた会社員の方は、ぜひチェックしてみてくださいね!

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イギリスへの社会人留学の特徴

社会人がイギリス留学する場合、大きく分けて2つのパターンがあります。「ハイキャリア志向の方が自己投資のために選ぶ留学」と「会社を退職した時期に、旅行を兼ねて行く留学」です。

前者は、イギリスの大学や大学院へ進学するパターン。社内の昇進試験やグローバル企業の面接の対策のためにビジネス英語の強化や英語資格試験のスコアアップをしたい人。

外国人とのプロジェクトや同僚とのスピーキングに苦手意識を持っている人、専門的に研究したい分野がある人などに選ばれています。

後者は、退職時の有給消化や就職活動を行うまでのリフレッシュ期間にイギリスで英語を学びたいという人が、観光旅行もかねて行くようなパターンです。

イギリスには1週間という短期間から受け入れ可能な語学学校も多いため、滞在期間が限られていても、満足いく英語留学を体験することができます。

イギリスへの社会人留学の種類

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社会人がイギリス留学を行う際、どのような留学スタイルが一般的なのでしょうか。ここではイギリスへの社会人留学の種類を見ていきましょう。

語学学校への留学

語学学校は、英語を母国語としない学生向けに英語を教える専門学校です。

イギリスは”英語の本場”としての自負がありますから、語学学校の質は高水準。読む・書く・聞く・話すの4技能の基礎力を伸ばす授業を中心に、生徒本人の希望やレベルに合わせて、プレゼンテーションやビジネス英語を学ぶこともできます。

長期留学を行う方は、習得した英語力を活かしてインターンシッププログラムに参加したり、大学付属の語学学校に入学して、学部の授業への出席を目指してみるのも良い経験になるでしょう。

大学への留学

イギリスの大学は学部課程を3年で修了できます。学部課程の場合、日本の大学と異なり専攻学科を1年目から学び始めるという点も特徴です。入学前には1年間の準備コースを経るのが一般的です。

イギリスは世界大学ランキングのトップに食い込む大学も多く、英国の教育専門誌『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション』が発表した2022年版ランキングではオックスフォード大学が1位、ケンブリッジ大学が5位にランクイン。

ロンドン市内にキャンパスがある理工系大学のインベリアル・カレッジも12位に位置しています。

実践的な英語力の強化だけでなく、改めて学習や研究を深めたいと考える貪欲な社会人にも、イギリスの大学への留学はおすすめです。

大学院への留学

日本を含む世界の大学院では修士課程修了に2年間かかる場合が多いですが、イギリスでは1年で修士課程を修了することも可能です。留学期間が短いとその分、費用も抑えられて助かりますね。

イギリスの大学院には、講義主体で修士号取得に1年かかるTaughtコースのほかに、研究主体で講義主体で修士号取得に2年かかるResearchコースがあるのが一般的です。大学院にも入学準備コースが用意されています。

イギリスへの社会人留学にかかる費用

イギリス留学にはどのくらいの予算を見積もっておくとといいのでしょうか。必要な費用を詳しく見ていきましょう。

イギリスの語学学校にかかる費用

語学学校に入学する場合の費用目安はこのようになっています。

留学期間1カ月3カ月6カ月1年間
費用約50~80万円約120~200万円約230~380万円約440~740万円

以下はイギリスの語学学校の費用の内訳です(6カ月)。

費用項目目安費用
入学金・学費約100~170万円
航空券代(往復)約10~15万円
パスポート・ビザ申請費約2~8万円
健康診断料約0.5~1万円
海外留学保険料(6カ月)約7~10万円
生活費約60~90万円
滞在費約48~90万円

イギリスの大学にかかる費用

イギリスの大学に入学する場合の費用目安はこのようになっています。

留学期間1年間
費用約400~650万円

以下はイギリスの大学留学時の費用の内訳です(1年間)。

費用項目目安費用
入学金・学費約230~380万円
航空券代(往復)約10~15万円
パスポート・ビザ申請費約2~8万円
健康診断料約0.5~1万円
海外留学保険料(1年間)約14~20万円
生活費約120~180万円
滞在費約96~180万円

イギリスの大学院にかかる費用

イギリスの大学院に入学する場合の費用目安はこのようになっています。

留学期間1年間
費用約400〜850万円

以下はイギリスの大学院留学時の費用の内訳です(1年間)。

費用項目目安費用
入学金・学費約230~580万円
航空券代(往復)約10~15万円
パスポート・ビザ申請費約2~8万円
健康診断料約0.5~1万円
海外留学保険料(1年間)約14~20万円
生活費約120~180万円
滞在費約96~180万円

イギリスへの社会人留学の奨学金について

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社会人留学の費用を抑える手段として、奨学金制度の利用を検討してみるのもいいでしょう。

語学学校への留学の場合は応募対象外になる場合がほとんどですが、大学や大学院への留学であれば社会人でも応募できる奨学金は多いです。

国や進学先の大学以外にも地方や民間団体が提供している奨学金もあります。学費がネックになり留学を諦めることがないよう、細かく調べておきまましょう。

応募には年齢制限が設けられていることもありますので注意が必要です。

以下はイギリス留学の奨学金プログラムを実施している政府・民間団体です(一部抜粋)。イギリス留学で奨学金利用を検討している方は、以下団体のホームページをご覧ください!

団体名奨学金対象
公益財団法人 ロータリー日本財団全般
独立行政法人 日本学生支援機構全般
トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム全般
IELTS Study UK 奨学金大学・大学院留学
公益財団法人 平和中島財団大学・大学院留学
BCJA奨学金大学・大学院留学
ヤマハ音楽振興会(音楽分野)大学・大学院留学(音楽分野)
公益財団法人 ポーラ美術振興財団(芸術分野)大学・大学院留学(芸術分野)
日本/世界銀行 共同大学院奨学金制度日本人向け特別枠大学・大学院留学(主に社会人の方)
経団連 日本人大学院生奨学事業大学院留学
村田海外留学奨学会大学院留学
財団法人 本庄国際奨学財団大学院留学(主に博士号の方)
一般財団法人 国際開発機構(開発学分野)大学院留学(主に博士号の方)
英国外務省チーヴニング奨学金大学院留学(主に社会人の方)

イギリスへの社会人留学のメリット

社会人がイギリス留学をする場合、どんなメリットがあるのでしょうか。社会人だからこそ得られるイギリス留学のメリットについて紹介していきます。

費用に余裕を持って留学できる

社会人になると、学生時代に比べて自分自身で工面できる予算が大きくなります。

イギリスは物価が高く、学費も決して安いものではありませんが、計画的に貯金をすることでやりたいことを実行に移せるでしょう。

キャリアアップ・キャリアチェンジにつながる

将来的な人口減少により内需の縮小が避けられない日本では、今後ますますグローバル人材の価値が高まることが予想されます。

留学先での経験や実務で活用できる高い英語力は、帰国後の就職活動において評価されることも少なくないでしょう。

就労経験が条件の学校に進学できる

就労経験がなければ入学条件を満たすことのできない大学院も多く、レベルの高い大学院ほどその傾向にあります。

なかでも、MBAはその代表格。現地では社会人経験や経営経験が学びを後押しし、帰国後はMBAホルダーであることが就職活動や実務において強みになるでしょう。

イギリスへの社会人留学のデメリット

社会人のイギリス留学は良いことばかりではありません。ここでは社会人がイギリス留学に行く際のデメリットについてご紹介します。

職歴にブランクができる

大学や大学院への留学となると、休職や退職は避けられません。

日本には、たとえ留学だとしても、空白期間を好ましく思わない企業もありますので、留学に行くことをリスクだと捉える人もいるでしょう。

帰国後の再就職が難しい

留学を経て期待どおりの成果が得られたとしても、必ずしも就活がうまく進むわけではないということは頭に入れておきましょう。

ただし、イギリス留学中に得た専門スキルや実践的な英語スキルは就職活動においてアピールポイントになり得るでしょう。

イギリスへの社会人留学を成功させるポイント

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先ほどご説明したように、メリット・デメリットがあるイギリス留学。帰国後に「成功だった!」と思えるように、押さえておきたいポイントをご紹介します。

目的を明確にする

留学に行く前に、なぜ留学をするのかを明確にしておきましょう。

目的がはっきりしていると、どんな学校でどんな過程・専攻を選ぶかといった手段選びを誤る可能性がぐっと減ります。現地でも目的を見据えていれば、日々を主体的に過ごせるでしょう。

成果を見える化する

「〇〇の分野の先端技術を学ぶ」「実務の〇〇で使える語学力を身につける」など、達成できたかどうかを明確に判断できる基準を設けましょう。

達成度合いもわかるようにしておくと、定期的に振り返りをしながら学習を進めることができるでしょう。

専門スキルを習得する

英語力も専門スキルのひとつですが、大学や大学院に通う場合は、帰国後の就職活動に備えて専門スキルを身に付けられるとベスト。

自らキャリアデザインをする貪欲さをもって留学に臨みたいですね。

メリットとデメリットのバランスをとり、後悔のない留学を

学生時代に比べて懐に余裕があっても、留学費用は決して安くありません。留学先や留学期間によっては現職を離れる決断をすることになるかもしれません。しかも、帰国後の就労先も保証されないことが多いでしょう。

リスクが付いて回るように感じますが、それらを補って余りあるメリットを得られる可能性が十二分にあるのが、社会人のイギリス留学です。

イギリスへの留学を検討している方は、ぜひこの記事を参考に、具体的な留学計画を立ててみてはいかがでしょうか。