カナダの文化について

監修者

監修者末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002|カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。現在までサポートしてきた留学生数は1万人以上。カナダ留学情報を発信するX(Twitter)アカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万以上。

カナダは移民が多く住み、多文化な環境で日本人にも人気の留学先です。
様々な人種、宗教の人たちが共存して生活していて、多文化主義は憲法で守られ、政策としても強力に推進されてる国です。

そこでこの記事では、カナダの文化や習慣、日本との違い、マナーなどについて解説します。

カナダの文化

カナダの文化は、その多様性によって大きく特徴づけられます。移民国家として知られるカナダでは、世界中から集まった人々がそれぞれの文化を持ち寄り、国のアイデンティティを形成しています。多文化主義はカナダの憲法によって保障されており、政府は異なる文化的背景を持つ市民が平和的に共存し、互いの文化を尊重することを奨励しています。このような背景から、カナダは差別が少なく、多様な価値観が受け入れられる寛容な社会として世界中から注目されています。

差別が少ない国カナダ

カナダは、世界でも特に差別が少ない国の一つとして知られています。その理由の一つは、政府が積極的に多文化主義を推進していることにあります。カナダの人々は、異なる文化や宗教、人種に対する理解と尊重を社会の根底に持っており、これが差別を減少させる大きな要因となっています。また、教育システムも多様性を重視しており、子供たちが小さい頃から多文化共生の価値を学ぶことができます。このような環境が、誰もが自分らしく生きやすい社会を作り上げているのです。

カナダ人の習慣

カナダ人の習慣は、その多文化的な社会構造から生まれる多様性に富んでいます。例えば、挨拶に関しては、握手やハグなどの身体的な接触を伴うことが一般的であり、初対面でもフレンドリーな態度で接することが多いです。また、プライベートと公共の境界に対する考え方も日本とは異なり、公共の場でも個人の自由が尊重される傾向にあります。食事の際には、家族や友人との団欒を大切にし、食事時間をコミュニケーションの場と捉えることが多いです。さらに、時間に対する感覚もリラックスしており、約束の時間に遅れることがあっても、それほど厳しくとらえられないことがあります。これらの習慣は、カナダの開放的で寛容な国民性を反映していると言えるでしょう。

カナダ人の国民性

カナダ人の国民性は、その多様性と寛容性によって大きく形作られています。

フレンドリーで優しい

カナダ人のフレンドリーさは、国民性の中でも特に際立つ特徴です。彼らは見知らぬ人に対しても笑顔で接し、気軽に会話を始めることが多いです。このような優しい態度は、コミュニティ全体に温かい雰囲気をもたらし、訪れる人々にも安心感を与えます。日常生活の中で、この開かれた姿勢は人々の心をつなぎ、社会全体の調和を促進していると言えるでしょう。

よく謝る

カナダ人の礼儀正しさは、「よく謝る」という習慣にも表れています。些細なミスや誤解があった際には、すぐに「Sorry」と謝ることが一般的です。この謝罪の文化は、相手への敬意と責任感の表れであり、社会の中でのスムーズな人間関係を築くための重要な要素となっています。

お気楽で、のんびり屋

カナダ人の国民性を象徴するもう一つの特徴は、そのお気楽でのんびりとした生活態度です。時間に追われることなく、現在を楽しむ姿勢は訪れる人々にも伝わり、リラックスした雰囲気を感じさせます。このゆったりとした時間の流れは、ストレス社会とは一線を画すカナダならではの魅力の一つと言えるでしょう。

大雑把で、いい加減

カナダ人の国民性におけるもうひとつの側面は、彼らの大雑把さといい加減さです。細かいことにこだわらず、物事をある程度の範囲で受け入れる柔軟性があります。これは時に計画性を欠くと見られがちですが、実際にはストレスを溜め込まず、日々を穏やかに過ごすための生き方とも言えるでしょう。

日本との違い

カナダと日本は、文化や習慣において多くの違いがあります。

多言語

カナダは公用語が英語とフランス語の二つあります。この多言語環境は、日本のようにほぼ一つの言語が支配的な国とは大きく異なります。公共の場では多様な言語が飛び交い、国民は異なる言語背景を持つ人々とのコミュニケーションに慣れています。

国内にも時差

カナダは広大な国土を有しており、東から西へと複数のタイムゾーンにまたがっています。これにより、国内旅行やビジネスでのコミュニケーションにおいても、時差を意識する必要があります。例えば、トロントとバンクーバーでは3時間の時差があるため、日本のように全国で同じ時間を共有することはありません。この点は、留学生やビジネスパーソンにとって、日本との大きな違いの一つです。

異文化に優しい

カナダは異文化に対して非常に寛容な国として知られています。多様な民族が集まるこの国では、異なる文化や価値観を尊重し合う姿勢が根付いており、移民や留学生も受け入れやすい環境が整っています。公共の場では多言語での案内がなされ、文化的なイベントも多く開催されており、それぞれの背景を持つ人々が調和して生活している様子が見て取れます。

LGBTQにも優しい

カナダはLGBTQコミュニティに対しても非常に開かれた国です。性的少数者の権利は法律で保護されており、同性婚も全国的に合法化されています。プライドパレードなどのイベントが各地で盛大に開催され、多くの人々が参加してLGBTQの人々を支持しています。このような環境が、カナダの包括的で寛容な文化を象徴していると言えるでしょう。

挨拶が多い

カナダでは、挨拶が日常生活の重要な一部となっています。街中で見知らぬ人と目が合っただけで「こんにちは」と声をかけることが一般的で、これはカナダのフレンドリーな国民性を反映しています。エレベーターに乗る際やお店を出るときにも、必ずと言っていいほど「ありがとう」という言葉が交わされるのです。

知らない人同士が会話する

この挨拶文化は、知らない人同士が気軽に会話を始める風潮にもつながっています。バス停で隣に立つ人と天気の話をしたり、カフェで隣席の人と趣味について語り合うことも珍しくありません。カナダ人はオープンマインドで、新しい人との出会いを楽しむ傾向にあり、これがコミュニティの絆を強める一因となっています。

優しい人が多い

カナダの社会では、人々の優しさが随所に見られます。例えば、道を尋ねると親切に教えてくれるだけでなく、時には目的地まで案内してくれることも。また、困っている人を見かけたら手を差し伸べるのは当たり前のこととされています。このような行動は、カナダのコミュニティが互いに支え合い、温かい関係を築いていることの表れです。

チップ制度がある

カナダでは、サービス業におけるチップ制度が一般的です。レストランやタクシー、美容院などでサービスを受けた際には、支払い金額に対して15%から20%程度のチップを支払うのがマナーとされています。この習慣は、サービス提供者への感謝と尊敬の意を示す文化的な側面を持ち、カナダの社会に深く根付いています。

お客様と店員は対等な立場

カナダでは、お客様と店員との間には対等な関係が存在します。これは、日本のように「お客様は神様」という考え方とは異なり、互いに尊重し合う文化が根付いているためです。店員は親切でフレンドリーな接客を心がけますが、お客様も店員を尊重する態度が求められます。このような対等な関係性は、カナダの社会全体における平等と多様性を尊重する姿勢を反映しています。

食べきれないものはテイクアウト可能

カナダのレストランでは、食べきれない料理を持ち帰ることが一般的です。この習慣は、食品の無駄を避けるための実用的な方法として広く受け入れられています。日本ではまだ一般的ではないかもしれませんが、カナダでは食事の量が多いこともあり、残った料理を次の日の食事として楽しむことができるのです。

返品、交換が当たり前

カナダでは、購入した商品の返品や交換が一般的な慣習として根付いています。多くの店舗では、顧客満足を重視し、購入後に気が変わったり、商品に不具合があったりした場合でも、比較的容易に返品や交換が可能です。この柔軟な対応は、消費者にとって非常に安心感を与える文化の一つと言えるでしょう。

カナダの文化について まとめ

カナダの文化について学ぶことは、異文化理解の一歩となります。この記事を通して、カナダの多文化主義、国民性、習慣、そして日本との違いについて触れてきました。差別が少なく、フレンドリーで、お気楽なカナダ人の生活様式は、多くの人々にとって魅力的に映ることでしょう。また、チップ制度や返品・交換の文化など、日本とは異なる独自の社会システムも理解することができました。これらの知識を活かし、カナダを訪れる際には、より豊かな経験を得ることができるはずです。