監修者末永 真一
カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002|カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。現在までサポートしてきた留学生数は1万人以上。カナダ留学情報を発信するX(Twitter)アカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万以上。
2018年10月17日から、カナダではマリファナ(大麻)の娯楽目的の所持、使用が合法化されています。
本記事では「日本人もカナダでマリファナを吸ってもいいの?」という疑問にお答えします。
このページの目次
日本人もカナダではマリファナを吸ってもいいの?
カナダを訪れる日本人旅行者や留学生の間でよく議論されるのが、現地でのマリファナ(大麻)の合法性についてです。2018年10月17日以降、カナダでは娯楽目的でのマリファナの所持や使用が合法化されましたが、これはカナダ国民だけでなく、観光客や一時滞在者にも適用されます。
しかし、日本人がカナダでマリファナを使用することには大きなリスクが伴います。日本の法律では、海外での違法薬物の使用も処罰の対象となり得るため、帰国後に法的な問題に直面する可能性があるのです。ですから、たとえ現地の法律が使用を許可していても、日本国籍を持つ人々は慎重に行動する必要があります。
マリファナ(大麻)とは?
マリファナ(大麻)とは、カンナビス・サティバという植物から作られる精神活性物質を含む製品のことを指します。主に乾燥させた葉や花穂を燃やして吸引することで、その成分によりリラックス効果や幻覚作用を引き起こすことが知られています。有効成分としては、テトラヒドロカンナビノール(THC)やカンナビジオール(CBD)などがあり、これらは心地よい高揚感や痛みの緩和、不安の軽減などの効果をもたらすとされています。
しかし、これらの効果には個人差があり、場合によっては不安やパニックを引き起こすこともあります。カナダでは、これらのマリファナ製品が合法化され、成人が規定の量を所持し、私的な空間で使用することが許可されていますが、日本国籍の人々は日本の法律に従う必要があるため、使用には注意が必要です。
マリファナ合法化の背景
カナダでマリファナが合法化された背景には、複数の社会的な目的があります。これらの目的を達成するため、カナダ政府はマリファナの生産、販売、所持に関する厳格な法律を制定し、合法化を進めてきました。
子どもたちがマリファナに触れることを防ぐ
カナダのマリファナ合法化の大きな目的の一つは、未成年者の健康保護です。政府は、合法化によって厳格な規制を設け、子どもたちがマリファナに触れる機会を減らすことを狙っています。これには、年齢制限の設定や、販売店の立地規制などが含まれており、子どもたちの安全を守るための措置が講じられているのです。
違法なマリファナ市場を撲滅する
さらに、カナダ政府は違法なマリファナ市場の撲滅を目指しています。合法化により、政府が生産から販売までを管理下に置き、違法取引を減少させることができるのです。これにより、犯罪組織の資金源を断ち、市民の安全を守る効果が期待されています。
何が合法化されたの?
カナダで2018年10月17日に施行された法律により、成人が娯楽目的でのマリファナ(大麻)の所持、使用が合法化されました。
具体的には、成人が30グラムまでの乾燥マリファナを公共の場で所持すること、また自宅での栽培が最大4株まで許可されています。しかし、これらの行為が合法であるとはいえ、州や地域によって具体的な規制は異なるため、訪問先の法律を事前に確認することが重要です。また、運転中の使用や未成年への販売は引き続き違法とされており、法の枠内で責任ある使用が求められています。
カナダではCannabisと呼ばれます
カナダにおけるマリファナは、一般的に「Cannabis」という用語で呼ばれています。これは植物の学名であり、娯楽目的だけでなく医療目的での使用も含まれます。合法化されたことにより、Cannabisは成人に限り、法律で定められた範囲内での所持や使用が許可されているのです。
しかし、カナダ国内でもCannabisに対する認識や規制は地域によって異なるため、使用する際にはその地域の法律やルールを遵守する必要があります。観光客や訪問者も例外ではなく、カナダでの滞在中は現地の法律を尊重し、適切な行動を心がけることが求められています。
誘われたら、きっぱりとNO!
カナダでのマリファナ(Cannabis)の合法化は、成人の自由を尊重する一方で、責任ある使用を前提としています。しかし、日本人旅行者や留学生がカナダを訪れる際には、特に注意が必要です。
日本の法律では、マリファナは違法薬物とされており、その所持や使用は厳しく罰せられます。カナダで合法であっても、日本人としての法的責任や倫理観を忘れてはなりません。もし現地でマリファナの使用を誘われた場合は、きっぱりと断ることが大切です。文化や法律が異なる国であっても、自身の国の法律を尊重し、リスクを避ける行動をとることが求められるのです。
また、カナダから日本への帰国時には、マリファナの影響を受けていると見なされると、日本の法律に基づいて処罰される可能性があるため、滞在中はもちろん、帰国前にも十分な注意が必要です。
カナダのマリファナ(大麻)について まとめ
本記事を通じて、カナダにおけるマリファナ(大麻)の法的な位置づけや、日本人としての注意点について解説してきました。2018年の合法化以降、カナダでは成人が娯楽目的でマリファナを所持し使用することが許可されていますが、これには厳格なルールが伴います。日本人訪問者にとっては、カナダ国内での法律に従いつつも、日本の法律を遵守し、倫理的な判断を求められる状況です。
カナダでの経験は、多くの場合、豊かな文化的な学びとなり得ますが、マリファナに関しては、法的なリスクと個人の責任が重要な要素となります。最終的には、自己の健康と法的な立場を守るために、適切な選択をすることが肝要です。カナダを訪れる際には、この情報を念頭に置き、安全で快適な滞在を心がけましょう。