イギリス留学は治安が心配? 国と治安と防犯について解説

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イギリスは英語圏の留学先として人気が高い国です。首都のロンドンだけでなく、南海岸のブライトンやイギリス最古の大学の街オックスフォードなど魅力的なエリアに溢れています。

人生の新しい扉を開けることを夢見て、イギリス留学を計画されている方も多いことでしょう。

そんな留学先を絞り込んでいる際に気になるのが、現地の治安状況。日本とは違う環境に飛び込むからこそ、前もって治安状況は認識しておきたいところです。

そこで記事では、イギリス留学を検討中の方に向けて、イギリスの治安情報や治安の悪いエリア・トラブル事例や対処法をお伝えします。

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イギリスの治安について

留学するに際して、その国が安全かどうかはもちろん気になるところですが、一言に安全・危険と言ってもどの程度かが分かりにくいですよね。

今回は実際に留学生を対象とした調査や日本との比較をご紹介します。

「治安が悪いって本当?」

「日本と比べると犯罪率が高いと聞くけれど、どの程度だろう?」

「イギリス現地で困ったときはどうすればいいの?」

こういった声をよく耳にしますが、実はイギリスはEducation Intelligenceが行った留学生を対象にした意識調査では、最も安全な留学先として選ばれたほど、留学生にとって安全で治安が良いとされている国なんです。

この調査は『The Student Room』のオンラインフォームで80カ国以上、800人以上のイギリス留学生を対象に実施されました。

主な評価理由は、「イギリスの豊かな文化」が重要視され、「銃文化がないこと」「医療制度が充実していること」があげられています。

ちなみに「銃文化がないこと」と前述しましたが、日本と同様に警察の審査に合格した人は銃の所持が可能となっています。ただ、取り締まりや罰則は日本以上に厳しくなっています。

具体的には、銃器不法所持の罰則が日本は1年以上10年以下の懲役ですが、イギリスでは16〜17歳は最低3年、18歳以上は最低5年以上の懲役となっています。

※ 参考元:The Guardian「Safety first for international students: what can UK institutions do to help?」

※ 参考元:GOV.UK「Government targets illegal firearms」

イギリスの犯罪率

気になるイギリスの犯罪率ですが、日本と比べるとやはり高くなっています。

情報統計サイト『NUMBEO』によると、2022年4月現在の犯罪率は日本と比較すると約2.8倍となっています。

スリや置き引きといった軽犯罪が多いことが特徴です。また、家や車に侵入しての窃盗、麻薬の取引が日本と比べると多くなっています。

イギリス国家統計局の情報では、近年は軽犯罪の件数が増えているという報告があります。

軽犯罪には、暴行・窃盗・刃物を使った強盗・薬物所持・軽度の道路交通法違反が含まれます。

アメリカなどと比べると安全ですが、日本と比べると犯罪に遭う可能性は高いので、警戒を怠らないようにしましょう。

※ 参考元:NUMBEO「Crime Comparison Between Japan and United Kingdom」

イギリスの治安が良い理由

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イギリスの治安が良い理由は、大きく分けて以下の3つです!

  • 留学生に優しい街が多い
  • 防犯意識が高い
  • 重犯罪率が低い

イギリスの多くの都市では留学生が中心的な存在になっています。イギリスでは、多くの留学生を受け入れることで街が活気付き、経済効果がもたらされています。

留学生は観光客としてではなく家族の一員として街に迎え入れられており、留学生に優しいという特徴があります。

また詳しくは後述しますが、イギリスは重犯罪率が少ない国です。一方で、軽犯罪は日本に比べて多いため、自衛のために防犯意識の高い人が多いことも特徴的です。

イギリスに留学する際には、日本国内で生活するときよりも防犯意識を高く持ち生活するようにしましょう。

イギリスのほとんどの大学には学生支援制度があり、様々な分野で支援やガイダンスを行なっているため、もしも滞在中に安全面の不安を感じた際は担当者に相談してください。

決して一人で悩むのではなく、第三者に相談することが自分の身を守ることに繋がります。

どのエリアの治安が悪いのか

イギリスは近隣のEU諸国と比べると、留学生にとって比較的安全な国です。とはいえ、先述したように軽犯罪への防犯意識は高く持っておく必要があります。

以下は、イギリス全土のなかで他エリアより犯罪率が高く、滞在はなるべく避けたほうがいいと考えられるエリアです。

  • ヨークシャー&ハンバー 
  • ノースイースト 
  • ノースウェスト 

産業遺産や歴史的建造物が多くあり、観光スポットとして人気のイングランド北部エリアですが、実は治安が悪いエリアとして有名です。

人口の多いロンドンが一番治安が悪いのでは?と思う人も多いかもしれませんが、市場調査会社『statista』によると、2020年から2021年の1年間の人口1,000人当たりの犯罪率が、ロンドンはこの3つのエリアに次いで4位となっています。

もしこれらのエリアを訪れる際は、観光するための短期滞在だとしても身の回りには十分気を付けましょう。

ちなみにロンドンの地元ネット紙『MyLondon』が掲載している「ロンドン内の治安の悪いエリアTOP3」は、「ペッカム」「ブリクストン」「トッテナム」の3エリアです。

また、テムズ川周辺地域、特に南部は治安の悪い場所が多いと言われていますので注意してください。

※ 参考元:statista「Crime rate per 1,000 population in the United Kingdom in 2020/21, by region」

※ 参考元:MyLondon「Londoners rank the top 10 places they find the ‘most dangerous’ but some of the reasons are odd

ペッカム 

地元紙によると、ペッカムは強盗が頻発し、ギャングの活動拠点になっているエリアだそうです。また、2週間住んですぐに引っ越した人もいるとのこと。

ブリクストン 

ブリクストンは数年前までは、ロンドン内で1番危険なエリアと報告されていました。

こちらもギャングが多くいるエリアで、地元の人からは、他の人と目があっただけでトラブルに発展するエリアとの声もあります。

トッテナム

トッテナムは地元の人からはギャング文化に失敗し、ドラッグ中毒者などが溢れているエリアだと言われています。

フットボールで有名なエリアなため、その評判の陰に隠れてしまい、危険なエリアだと知らない人も多いようです。

イギリスで巻き込まれやすい犯罪

では、具体的にイギリスではどのような犯罪に巻き込まれやすいのでしょうか。

せっかく夢見たイギリス留学が台無しになってしまわないよう、事前にどんな犯罪が多いか頭に入れておきましょう。

置引き

置引きとは、街なかに置いてある他人の所有物(バッグや財布など)を持ち去る行為のことです。イギリスのみならず、日本人が海外で巻き込まれやすい犯罪の筆頭です。

そもそも日本人はカフェや飲食店でお手洗いに行く際、自分のバッグをテーブルに置いたままにしておくことにあまり抵抗がありません。

これは、日本国内のカフェ等で置引きにあうケースが極めて少ないためです。

しかし、海外では、自分のバッグや財布から少し目を離しただけで一瞬にして置引きにあうケースが多くあります。

同じくイギリスも置引きは多く発生しているので、留学する際は自分の所有物から目を離さないよう注意するようにしてください。

スリ

置引きと同じく、街なかで発生しやすいのがスリです。

ロンドンやその他の観光スポットには、観光客を狙ったスリがいるため、自分の荷物や貴重品の管理には十分気をつけてください。

バッグのファスナーを開けっぱなしにしないことはもちろん、財布やパスポート・クレジットカードなどの貴重品は分散させて管理しておくなどの工夫が大切です。

また、街なかで複数人に声をかけられ、油断した隙にスリをするなど集団での手口も多いため注意が必要です。

空き巣

イギリス留学中にオートロックのない住居や1階の壁面が低い住居に住む場合は、夜間の空き巣に気をつけてください。

イギリスではアンティーク調のレトロな物件にはオートロックが備えられていないことが多いため、空き巣に狙われやすいです。

住居の周りに防犯カメラを設置したり(偽物でもよい)、防犯ブザーを設置するなど空き巣対策を行ないましょう。

また、言うまでもありませんが、外出時や就寝時の家のカギ締めは忘れないようにしてください。

デートレイプドラッグ

日本ではあまり聞き慣れない犯罪が「デートレイプドラッグ」です。

デートレイプドラッグとは、本人が知らぬ間に飲み物にドラッグを混入させ、意識を混濁させた後、暴行やレイプに及ぶ犯罪のことです。

イギリスでパブやクラブに遊びに行く際には、自分の飲み物から目を離さず、お手洗いに行くときでも持参し、被害にあうのを防ぐようにしましょう。

トラブル事例

ネットでトラブル事例を調べると、このような事例がありました。

  • 帰省していて長期不在中に強盗が入り、家財を持ち出されてしまった
  • 地下鉄やバスなどで話しかけられ、会話に気を取られているうち別の人に鞄を開けられ荷物を盗まれてしまった
  • カフェやレストランで、注文時やトイレの利用で席を離れた隙に、床や椅子に置いておいた鞄を盗まれてしまった
  • ATMでお金を下ろしている最中に声をかけられ、ATMから気が逸れた瞬間に引き出したお金を盗まれてしまった
  • 人気のない通りや夜道にバイクで鞄やスマートフォンを引ったくられてしまった
  • 偽警官の求めに応じて財布やクレジットカードを提示し、暗証番号を教えてしまい、その後クレジットカードを不正利用されてしまった

トラブル時の対処法

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トラブルが起きてしまった時に落ち着いて対応するには、事前に対処法を整理しておくことが大切です。もしもの時に備えて、いざという時にどうすれば良いのか確認しておきましょう。

トラブル相手がいる場合

あなたの無事が最優先です。相手を逆上させないように、お金や物品など渡せる物は渡して、なるべく早くその場から離れましょう。

その際に相手の格好や年齢などの特徴をなるべく覚え、安全が確保されたことを確認してから、警察に連絡しましょう。

各所に連絡をとる

トラブルが起こってしまった時は、「学校やホームステイ先に連絡する」「警察に連絡する」「クレジットカード会社に連絡する」「日本大使館に行く」「保険会社に連絡する」など、自分が今どういう状況にあるのか各所に連絡する必要があります。

落ち着いてすぐに確認できるように、連絡先を事前に手元に控えておきましょう。

緊急連絡先「999」について

999」に電話すると、どの公衆電話や携帯からでも無料で緊急電話窓口に通話ができます。

電話するとオペレーターが出ますので、「警察」「救急」「消防」のうち何が必要なのか、また「名前」「電話番号」「住所」「現在の状況」を聞かれますので落ち着いて答えてください。

【危機管理】予防のためどうすればいいか

イギリス留学中にトラブルに巻き込まれないためには、日頃から危機管理意識を持つことが大切です。

イギリスに到着したての時は意識できていても、生活に慣れてきたころには気が緩んでくるものですので、定期的に危機管理チェックをする習慣をつけましょう!

カレンダーに事前に予定として書き込みしておくと、忘れずにチェックができるのでおすすめです。

【トラブル回避のチェックリスト】

チェック項目 1もしもの時の緊急連絡先を確認しておく
チェック項目 2危ないとされているエリアには近付かない
チェック項目 3長期不在にする際は、留守を察知されないようタイマー式の照明を点灯させたりする
チェック項目 4所持品は常に身体から離さない。貴重品から目を離さない
チェック項目 5人通りの多い道を歩き、夜道の1人歩きは避ける。もしも夜に出歩く必要がある場合はタクシーを使う
チェック項目 6バスに乗るときは運転手の近くに座り、すぐに助けを求められるようにする
チェック項目 7初めて行くエリアの場合は事前に周辺の下調べをしておく
チェック項目 8学校の寮以外に住むときは、なるべく2階より上の階に住む
チェック項目 9音楽を聴きながら・スマホをいじりながら等の「ながら歩き」を控える
チェック項目 10知らない人から食べ物や飲み物を渡されたときは口にせず、その場を離れる
チェック項目 11警察官を名乗る人物が声をかけてきた場合、警察官IDを提示してもらう

心置きなくイギリス留学を楽しめるように、危機管理のポイントをおさえて安全に過ごしましょう!

安全対策を怠らず、充実したイギリス留学生活を

イギリス留学前は、現地での生活を想像して高揚感に溢れていることと思います。しかし、イギリスは安全な日本と比べると軽犯罪率が高い国です。

海外に長期間滞在するわけですから、事前に治安状況のリサーチ・安全対策の整理は怠らないようにしましょう。皆さんがイギリスでトラブルにあうことなく、充実した留学生活を送れることを願っています。

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