カナダの治安は?治安情報の調べ方と実際に暮らしてみた感想

監修者

監修者末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002|カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。現在までサポートしてきた留学生数は1万人以上。カナダ留学情報を発信するX(Twitter)アカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万以上。

カナダ留学ワーホリに行きたいと思っているなら、カナダの治安は気になりますよね。
今回は、カナダって治安がいいの?という問いに、実際にカナダに住んでいた経験からまとめました。
これからカナダ留学をする予定の方はぜひ参考にしてみてください。

カナダの治安は良いの?

カナダの治安について話すとき、多くの人が気にするのは「安全に暮らせるかどうか」という点でしょう。実際にカナダで生活をした経験から言うと、カナダは比較的治安が良い国だと言えます。しかし、どの国にも言えることですが、完璧な治安というものは存在しません。

このセクションでは、カナダの治安の実態と、その背景にある社会的な要因について詳しく見ていきましょう。

カナダは銃の所持は違法

カナダでの銃の所持については、厳しい法律によって規制されています。実際、カナダでは一般市民が銃を所持することは違法とされており、合法的に銃を持つためには厳しい審査と手続きを経なければなりません。これには、背景調査、安全講習の受講、そして適切な保管方法の証明が含まれます。さらに、自動小銃やハンドガンなど、特定の種類の銃器は一般市民が所持することができないか、非常に限定された条件下でのみ所持が許可されています。

このような厳格な銃規制のおかげで、カナダでは銃による犯罪は他の多くの国に比べて少ないと言われています。しかし、それでも銃犯罪が完全にないわけではありません。特に一部の地域ではギャング関連の銃犯罪が問題となっており、政府はこれを抑制するためにさらなる法改正を検討している状況です。

カナダにおける銃の所持が違法であることは、国の治安を維持する上で重要な役割を果たしています。しかし、法律だけでは完全な安全は保障されません。カナダに滞在する際には、常に周囲の状況に注意を払い、安全対策を怠らないことが求められます。

置き引きなどの軽犯罪は多い

カナダの治安について話を進める前に、置き引きやスリといった軽犯罪の実態に触れておきましょう。カナダは全体的に安全な国とされていますが、観光地や都市部では、置き引きやスリの被害に遭う可能性がゼロではありません。特に、人が多く集まる場所や公共交通機関を利用する際には注意が必要です。

例えば、トロントやバンクーバーのような大都市では、観光客を狙った犯罪が散見されます。これらの都市では、カフェのテーブルに置いたスマートフォンやバッグを狙った置き引き、混雑した地下鉄内でのスリなどが報告されています。また、夏のフェスティバルやイベントの際にも、人ごみを利用した犯罪が増加する傾向にあります。

しかし、これらの犯罪は予防策を講じることでリスクを減らすことができます。貴重品は身体に密着するポケットや、斜めがけのバッグに入れておく、大きな荷物は目の届く範囲に置く、不審な行動をとる人物には警戒するなど、基本的な注意を払うことが重要です。

交通事故に注意

カナダでの生活において、交通事故は見過ごせないリスクの一つです。広大な国土を持つカナダでは、車は生活に欠かせない移動手段となっており、その分、交通事故の発生率も無視できません。特に冬季になると、路面の凍結や視界不良による事故が増加します。これは、カナダの冬が厳しいことも影響しており、雪道の運転に慣れていない人にとっては特に危険です。

また、都市部では交通量が多く、自転車や歩行者との事故も少なくありません。トロントやバンクーバーなどの大都市では、交通の混雑が激しく、ドライバーの注意散漫や急な車線変更が原因で発生する事故も報告されています。歩行者や自転車利用者も、信号無視や道路横断時の不注意が原因で事故に巻き込まれるケースがあります。

こうした交通事故を避けるためには、運転する際には常に周囲の状況に注意を払い、スピードの出し過ぎを避けることが大切です。また、歩行者や自転車利用者は、夜間に反射材を身につける、交差点では周囲の車に注意を払いながら横断するなど、自己防衛の意識を持つことが重要です。

カナダでの安全な生活を送るためには、交通ルールの遵守と互いの安全への配慮が欠かせません。次のセクションでは、カナダでの落し物の扱いや、ホームレスの存在について触れていきます。

落し物をしても戻ってくる?!

カナダでの生活は、多くの面で安全と言われていますが、特に驚くべきは落し物の扱いです。日本でも落し物が戻ってくる文化はありますが、カナダでも同様に、落とした財布や携帯電話が戻ってくることが珍しくありません。これは、カナダ人の高い市民意識と、正直さを尊ぶ文化によるものと言えるでしょう。

例えば、公共の場所やバスの中で財布を落としたとしても、多くの場合、中身がそのままの状態で警察や交通機関の遺失物センターに届けられます。また、カフェやレストランなどで忘れ物をした場合も、店員が保管してくれることが一般的です。これにより、落し物をした際のストレスが大幅に軽減されることは間違いありません。

しかし、これはあくまで一般的なケースであり、全ての落し物が戻ってくるわけではないことに注意が必要です。特に観光地や人通りの多い場所では、落し物が戻ってこない可能性もあります。そのため、大切な物を持ち歩く際には、やはり注意深く管理することが求められます。

ホームレスは意外と多い

カナダの街角で意外と多いのがホームレスの存在です。一般的にカナダは福祉国家として知られており、社会保障制度が充実していると言われていますが、それでもなお、ホームレスの問題は解決されていません。

特に大都市では、街の中心部や公園、橋の下などにホームレスの方々がいるのを見かけることがあります。彼らは寒さや飢え、時には健康問題にも直面しており、社会のサポートを必要としています。また、一部のホームレスの方々は精神的な問題を抱えていることもあり、その場合は専門的なケアが必要となります。

カナダ政府や非営利団体はホームレスの支援に力を入れており、シェルターや食事提供、就労支援プログラムなどを提供しています。しかし、それでもなお、街中でホームレスの方々を見かけるのは日常的な光景であり、社会問題としての認識が高まっています。

観光客や留学生、ワーキングホリデーで訪れる人々にとっては、ホームレスの存在が衝撃的に映ることもあるかもしれません。しかし、彼らに対しては、恐れることなく、むしろ温かい目で見守り、可能であれば支援をすることが大切です。

カナダの治安が良い理由

カナダの治安が良いとされる理由には、いくつかの要因があります。カナダは世界的に見ても治安の良い国の一つとして知られており、多くの人々が安心して暮らしているのです。

穏やかな国民性

カナダの治安が良いとされる理由の一つに、国民性が挙げられます。カナダ人は一般に、礼儀正しく、友好的で穏やかな性格の人々が多いと言われています。このような性質は、社会全体の平和を保つ上で非常に重要です。人々が互いに敬意を持って接することで、犯罪への抑止力になっているとも考えられます。

また、カナダは多様性を受け入れる文化があり、異なる背景を持つ人々が共存しています。この多文化主義は、人々がお互いの違いを認め、尊重し合うことで、社会的な緊張を減少させ、治安の良さに寄与していると言えるでしょう。

さらに、カナダでは困ったときに周囲の人々や警察などの公的機関に助けを求めやすい環境が整っています。公共の場での安全が確保されており、緊急時には迅速に対応してもらえる体制があるため、住民は安全感を感じやすいです。

何かあれば助けを求められる

カナダでは、何か困ったことがあった際に助けを求める文化が根付いています。例えば、道に迷ったり、何かを失くしたりした時に、周囲の人々は親切に対応してくれることが多いです。また、公共の場でのトラブルや緊急事態に遭遇した場合でも、警察やその他の公的機関が迅速に対応してくれる体制が整っています。

カナダの警察は、市民の安全を守るために様々なプログラムを実施しており、緊急時には911に電話することで、いつでもどこでも援助を受けることができます。このようなサポート体制が、住民にとって大きな安心感を提供しています。

さらに、カナダのコミュニティは支え合いの精神が強く、近隣住民同士で助け合うことが一般的です。このような環境が、カナダの治安をより良くしている要因の一つと言えるでしょう。次のセクションでは、カナダで暮らす際の具体的な安全対策についてお話しします。

カナダで暮らす際の安全対策

カナダで暮らす際の安全対策について考えるとき、まず心に留めておくべきは、どの国にもリスクは存在するということです。しかし、カナダは比較的安全な国の一つとされていますが、日常生活での注意点はいくつかあります。

カナダでの生活は、これらの安全対策を踏まえることで、より安心して楽しむことができるでしょう。

バンクーバーでの安全対策

バンクーバーでの安全対策を考える際には、特に都市部での生活を想定した具体的な行動が求められます。バンクーバーはカナダでも有数の大都市であり、多様な文化が混在しているため、治安の面でも様々な側面があります。

まず、夜間の外出には十分な注意が必要です。特にダウンタウンやイーストサイドといった一部の地域では、夜間の治安が悪化しやすい傾向にあります。一人での夜の散歩やジョギングは避け、友人と行動を共にするか、タクシーや公共交通機関を利用することが賢明です。

また、バンクーバーでは自転車の利用者が多いため、自転車盗難にも注意が必要です。高価な自転車を使用する場合は、頑丈なロックを使用し、盗難防止のために登録制度を利用することをお勧めします。公共の場では、自転車を目の届く範囲に置くか、監視カメラのある場所を選ぶと良いでしょう。

公共の場では、貴重品の管理にも注意を払いましょう。リュックサックやバッグは常に前に抱え、財布や携帯電話などは内ポケットに入れるなどして、スリや置き引きから身を守る工夫をすることが重要です。

トラブルに巻き込まれたときの対処法

カナダでの生活は基本的に安全ですが、万が一トラブルに巻き込まれた場合の対処法を知っておくことは非常に重要です。まず、緊急事態には迅速に911に電話して警察や救急車を呼ぶことができます。この番号はカナダ全土で共通しており、通報は無料です。また、カナダでは警察官が一般市民と積極的にコミュニケーションを取る文化があり、困ったときは気軽に声をかけることができます。

もし言葉の壁がある場合は、多言語に対応した通訳サービスを利用することも可能です。また、カナダにはコミュニティセンターや支援団体が多く存在し、トラブルに遭遇した際にはこれらの機関に相談することも一つの手段です。

観光中や日常生活でのトラブルに対処するためには、現地の法律やルールをあらかじめ理解しておくことも大切です。例えば、交通ルールの違いによるトラブルを避けるためには、カナダの交通法規に慣れておく必要があります。

また、スリや置き引きなどの小規模な犯罪に遭遇した場合は、落ち着いて最寄りの警察署に被害届を提出しましょう。貴重品は分散して持ち歩く、コピーを取っておくなどの対策をしておくと、万が一の時にも対応がスムーズになります。

トラブルに巻き込まれたときは、パニックにならずに冷静に対処することが何よりも重要です。事前に緊急連絡先をメモしておく、常に携帯電話を充電しておくなど、日頃からの備えが役立ちます。カナダでの安全な生活を送るためには、こうした対処法を知っておくことが、安心して暮らすための鍵となるでしょう。

カナダの治安の調べ方

カナダへの留学やワーキングホリデーを計画する際には、事前に治安情報をしっかりと調べておくことが大切です。では、カナダの治安情報はどのようにして調べれば良いのでしょうか。

外務省 海外安全ホームページの安全サイトをチェック

カナダへの留学やワーキングホリデーを検討している方にとって、治安情報は非常に重要です。そのため、外務省の海外安全ホームページを利用することを強く推奨します。このサイトでは、カナダを含む世界各国の治安情報が定期的に更新されており、渡航前には必ず最新の情報をチェックすることが求められます。

外務省のサイトでは、犯罪発生率や治安に関する注意喚起、さらには自然災害や感染症のリスクについても詳細に報告されています。これにより、カナダでの生活に必要な安全対策を事前に計画することが可能となります。また、緊急時の対応や、在外公館の連絡先なども掲載されているため、何かあった際にも迅速に対処することができます。

このサイトを活用することで、カナダの治安に関する正確で詳細な情報を得ることができるため、安心して留学やワーキングホリデーの準備を進めることができるでしょう。安全は何よりも優先されるべき事項ですので、外務省の海外安全ホームページは、カナダ渡航の際の重要なリソースとなります。

留学エージェントに聞いてみる

カナダでの留学やワーキングホリデーを成功させるためには、現地の治安情報を知ることが不可欠です。外務省の海外安全ホームページも重要な情報源ですが、留学エージェントに相談することも非常に有効な手段です。

留学エージェントは、カナダへの留学をサポートする専門家であり、現地の最新の治安情報や生活のヒントを提供してくれます。彼らは、過去の留学生の経験談や、現地のパートナー機関からの情報を基に、具体的なアドバイスを行うことができます。また、エージェントは留学生の安全を第一に考え、緊急時の対応策や安全な住居選びのアシストも行っています。

エージェントを通じて得られる情報は、公的なデータだけではなく、実際の生活の中でのリアルな声を反映しているため、より実践的です。例えば、特定の地域の夜間の外出は避けた方が良い、あるいは特定の交通手段を利用する際の注意点など、具体的な生活の知恵が得られることも多いです。

留学エージェントに相談する際は、自分の不安や疑問を正直に伝えることが大切です。そうすることで、エージェントも個々の状況に合わせた最適な情報を提供してくれるでしょう。カナダでの安全で充実した生活を送るためにも、留学エージェントとのコミュニケーションを積極的に行いましょう。

現地に住んでいる(いた)人の口コミ

カナダの治安について、実際に現地で生活している人、あるいは過去に住んでいた人の口コミは非常に参考になります。彼らの体験談は、公式の統計や報告書では伝わらないリアルな情報を提供してくれるため、これからカナダに行く人にとっては貴重な情報源となります。

SNSやブログ、フォーラムなどで現地の人々の生の声を集めることができますが、情報の真偽を見極めるためにも、複数の情報源を参照することが重要です。また、現地のコミュニティに参加することで、より深い情報交換が可能になることもあります。

ただし、個人の体験には主観が含まれるため、全体の治安状況を把握するためには、公的な情報と併せて考慮することが大切です。

カナダの治安まとめ

カナダの治安に関する情報を幅広く見てきましたが、結論としては、カナダは比較的治安が良い国であると言えるでしょう。銃の所持が違法であること、国民性が穏やかで助け合いの精神が根付いていることなど、カナダの治安の良さを支える要因は多々あります。しかし、置き引きやスリなどの軽犯罪が存在すること、交通事故のリスクがあること、ホームレスが意外と多いことなど、注意すべき点もあります。

カナダでの生活を検討している方は、治安だけでなく、文化や国民性を含めた幅広い情報を収集し、自分の計画に役立てることが大切です。個人の体験談も参考になりますが、客観的なデータと照らし合わせて、総合的な判断を下すことが求められます。カナダは多くの人にとって魅力的な国ですが、どの国にもリスクは存在するため、事前の準備と情報収集が安全な生活の鍵となります。